連絡
「ねえ、理系くん」
ひとしきり抱きついて満足した私は、彼に声をかける。
「年末忙しかった?」
連絡をくれなかった恨みをほんの少しだけにじませて、私はこの言葉を言った。
ああ、私って嫌なヤツ。。。
でも恨み言が届いてない様子の彼は、「全然忙しくなかったよ」なんて平然と言ってのける。
「連絡ないから忙しいのかと思った」
私はまた、チクリ。
こういう嫌みの言葉って両サイドが尖ってて、言った自分も少し痛くなる。
「あー、なるほどそういうことか」
理系くんは深くかぶったニット帽を外して、つぶれた髪を静かに撫でる。
「文系ちゃん友達多いからさ――」
彼は、ふてくされたようにそっぽを向いて――
「あんまり連絡したら迷惑かなって」
『お前より大事なものなんてあるかーい!!』なんて、昨日見てた年末お笑い特番みたいなツッコミが頭によぎったけど、もうちょっと猫かぶっておこうかなと思って。
「全然、なんでも連絡くれたら嬉しい!」
我ながらキャラじゃないなあと思いながら、理想の文系女子を演じてしまう私だった。
――ちなみにその日の夜、こんな連絡が突然きた。
『文系ちゃんって寝るときはうつぶせ派? 仰向け派?』
深読みしすぎて、その夜も寝れなくなった。
※文系ちゃんは抱き枕派(何かを抱いてると安心できるから)
※理系くんは仰向け派(立ってるときと同じ姿勢で寝ていた方が健康にいいという理由)
※理系くんは、文系ちゃんが遅刻してきた理由は睡眠が浅いからなんじゃないかと考えて、睡眠のとり方を訊いてみただけ。
ものぐさな私だけど『書く』のを習慣にしたいので、なるべく毎日更新したいです(目標)