表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

踊るロマンスの猿

作者: てつちゃん

どんどん阿波おどりが近づいてきよる


チャンカチャンカはどこから聞こえてきてるのか知らんが5分も10分も前から聞こえてて、あら?なにか近寄ってきてるのかな?なんて思って待ってたら今やっとむこうの地平線から阿波おどりが見えてきた。


ひょっとこが3人、チャンカチャンカに合わせて頭頂部から少しずつ見えてきた


夜中になにやっとるんだよという気持ちと、全然来なかったじゃん何分待ったと思ってんの?という怒りと、やっぱりこのチャンカチャンカはどこから聞こえてきてるのかしら?アーケードのスピーカーからなの?の思いが溢れてきてなんだか私は乱暴な気持ちになりました。

女を乱暴に抱いてやろうかしらと思ってそんな野蛮なと思ってそもそも誰抱けるねんと思って自己嫌悪で涙が出てきて反省反省


そして私は彼ら3人をなんの踊りでもないけど決して阿波ダンスでは無いというよくわからない踊りを踊って迎える決心をしました。

そこには彼らへの敵意があったのです

嫉妬も

夜中、真っ暗でどこまでも長いアーケードをチャンカしながら気の許せる友人達と自由気ままに阿波を舞える奴等への敵意と嫉妬とでたらめな怒りがあったのです

そんな奴等が悩んだり苦しんだりしてるわけはないわけで、そんな奴等を許してしまうなんて出来ないのです。

出来ないということにしたのです。

もうよくわかんないけどそうなのです


私は両手をあげてヒラヒラしながら膝をたっぷり使い腰をがくがくさせ、そして投げ出すように足を交互に後ろへ放る

恥ずかしい話、私はダンス経験がないものできっと上手には踊れてないんだろうけれど、むしろとても惨めなダンスを踊っていることだろうけれど、誰かに見られたりしてないだろうか?と思ったけれどでもそんなのかまうものか。

しかし、阿波仲間だと思われたら困るので私は踊りながら「ソーランソーラン!」と叫ぶことにしました。

本当は私はこんなことしてる場合ではないのです


チャンカチャンカ阿波ダンスが迫ってきます

げげっ、近くで見てみると彼らはかなりの力量な気がします

ダンス素人の私から見てもかなりやるなってかんじで、フワッとしていながらビュッと決めてくるのです。

私のダンスで敵うのだろうか?

不安が襲ってきます

想ってないといけないことがあるような気がするんです


私の口からは喉が裂けんばかりのソーラン

不安が故に驚くほどたくさんのソーランが出てきます

ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!

私には好きな女がいます

喉から血の味がしてきました


ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!

顔をグシャグシャにした私は口の周りを血だらけにしながらソーランを叫ぶんです。

キっスしたりしたい!エッチなことしたい!

ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!ソーランソーラン!

私は夜中のアーケードで届かないソーランを武器に迫り来る阿波踊りを迎え撃つんです




みんな本当は必死なのに当たり前の顔して暮らしてて、それがどうにも気持ち悪くて羨ましくて憧れたんです。

でも僕は出来ないからだからそういう人が自分なりの踊りを踊る話を書きました


おこがましくも感想いただけたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ