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青い秋  作者: UTUTU
2/18

ナボコフ症候群と双頭装置

続きです。

 はじめのくだりを書いた時よりは幾分かマシな気分です。

 先夜は不安さだったり、晦渋だったり、どろりと暗鬱なものを抱えており、また、それに衝き動かされて自白と言いますか、奇態な、さらに冗長な告白を垂れ流した訳なのでした。


 だがまあ、凡百な四十男の独白などにニーズのある筈もありません。それに語彙も貧弱ですからね、僕は。大概なものです。痛々しいくらいのものだ。こうして恥を承知で書くのですから、僕自身、本当に赤面の思いです。恥に恥をうわ塗る調子。到底、表現というものではあり得ません。

 あるいは酩酊するためだけ。書いている時のドライブ感のみを目当てにサイトへ立ち寄っているのでしょう、僕にあっては。表現に対し、真摯に向き合っておられる皆様には顔向けできません。


 とは言いながらも、書くことによる自浄作用を欲し、ふたたびサイトを開いています。医療の領域でならナラティブと表されるものでしょうかね。これは。つまり語ることによる葛藤の整理であり、魂の創傷治癒です。


 僕のようなものがキングを引用するのも憚られますが、大衆小説の巨星はこう言っていたような。

 書くということは呪いなのだ。

 書くということは病気なのだ。

 例によってうろ覚えなので、確固とした引用ではありません。まあ、こんな意味のことをキングの書に見つけた記憶があります。


 さて僕は病んだ人間なので、こういう一文に触れるなり、書くということ以外にも思い当たるフシがあるのでした。

 とりわけ、アルコールへの依存。

 これは深刻なものがあり、かつて精神科病院に入院したこともあります。その後、何年か断酒を継続しており、おかげさまで現段階ではシラフで生きることが出来ています。社会生活ではオクビにも出さず、元来からの下戸ということで通していますし、断酒生活の中で出会った今の妻もそう信じています。だが、いつ崩れてしまうか分からない。砂上の楼閣に過ぎない安定だと根底では思っています。常に。

 そうして。

 アルコールへの傾倒ほどでは無いが、実は深甚な(と自分では思っている)病をさらに一つ、僕は巣食わせています。

 婉曲に表現しましょうか。ナボコフの病。それを抱えています。

 ここが小説投稿サイトという位相もありますから、慎重に語るべきワードであり、かつ極力、誤解を避けるべきだと思いますので、少し自己弁護させて頂きたいのですが、とはいえ僕は危険な志向を持ち合わせている訳ではありません。小児への暴行、殺傷、淫行、といった痛ましい犯罪に僕は忌避感をしか感じ得ませんし、そうした負の領域に踏み込む気も加担する気もありません。つまり一般的な市民の価値観を持っている筈です。実際にそのように生活しており、アルコール依存症で精神科病院に入院した他は、とりたてて社会の規範に外れたこともありません。ついでにいえば刺青を広範囲に入れていたりもしますが、まあ、それくらいです。卑劣な犯罪を忌避しますし、擁護する気は皆目、ありません。


 そうではあるのですが、少女に魅せられています。特に十歳から十二歳の少女にいと儚く麗しい、曙光のごとき輝きを見い出す者なのです、僕は。

 これが僕の病です。

 とは言い条、僕はいわゆる「萌え」の範疇でしか行動しません。

 くだくだしく表現するなら、フィクションとしてのニンフェットに昂揚する訳でしょうか。

 リアルには行動しません。リアルに存在する少女そのものではなくして、少女という概念が纏い醸す幻影に恋着しています。それは現実の少女に興味を覚え、接触したいという生々しくむくつけな欲望とは全く別次元の話です。

 だから、かかるがゆえに、単純に「萌え」の範疇でしか行動していない筈です。

 そうした前提を理解していただけますと幸いです。…あまり言葉を重ねますと、無用な誤解を招き、文章を書くという目的自体が霧散しませんから、この件についてはここまでとしましょうか。


 という訳で双頭装置と銘打ってしかるものを僕は宿しています。アルコール。ナボコフ。自動的に律動をはじめ、安住を破壊しかねない病巣です。

 だから絶望視しやすいのでしょうか、僕は。


 もう少し筆を走らせたいのですが、実はこれから入院している母の見舞いがありますので、筆を置かせていただきます。


 読んでいただきまして、本当に有り難うございました。

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