取引
400年くらい前はこの国は国ではなかった。四つに分かれていて別の呼ばれ方をしていた。初代王様が四つに分かれていた国を一つにまとめた。その時に「平和にする為の一歩です」と言ったそうだ。初代王様はこうなるなんて思わなかったのだろう。
今、俺たちは入り口のホールに来ていた。ホールの真ん中に五人いて「大熊徹と申します。ところでリーダーさんはどこにいるんですか」と真ん中にいる男が挨拶をした
「リーダーは私です。朝衣神奈と申します。どうしてここに?」
「やはり、女性でしたか。なぁに、ちょっとした取引をする為に来ました」
「取引?」
「えぇ、貴女が現国王を結婚してくだされば異常者と言う呼び方を訂正させ人として認められるようにすると言う事です」と男は提示して来た
「結婚ね〜」
「どうしたんだ冬夜」
「いや〜これって完全に嘘だよね」と冬夜が訊いて来た
「だろうな。だからどうした」と訊き返した
「彼女この取引に応じそうなんだよね」
「リーダーならありえる。戦闘準備するか?」と仁が納得していた
「仁さんと鋼は他にいないか警戒しといて僕がやるよ」
「わかった。くれぐれもやりすぎるなよ」
「わかった」と冬夜がバレないように慎重に近づいた
「なぁ、鋼アイツ戦闘できるのか」
「できる。盾と言ってもアイツのは特殊だからな」
「そうか」
「アイツを怒らせなければ死なないだろうな」とあくびをしながら言った
「それはどういう」と仁が聴こうとした時
「私が現国王と結婚すればいいんですね」と神奈が言った。
その場にいた全員が驚いていた
「はい、そうすれば貴女の望みを叶えます」と男はニヤァっと笑った
「ならいいでしょう取引をしましょう」
「神奈さん待ってください」
「冬夜さん?どうしたのです」
「それ、完全に嘘ですよ」
「そうなんですか」と神奈が訊いた
「な、何の事でしょうか」と答えた
「まず貴方が現国王と関わりがあるのですか」
「それは」
「それと国王が神奈さんの事をどうして知っているんですか」
「それは異常者リストに載っていたからだ」
「そうですか。それはおかしいですね」
「何がだ」
「リストに彼女は載っていないはずなんですよそうですよね神奈さん」
「はい、そうです」
「な、仕方がない捕まえろ」と男がほかの人に指示をした。