露店
早速露店販売を開始してみるシィル。
さすがにノウハウも何もないのでとりあえず地面に敷物を引いてポーションを並べてみる。
「これでいいのかな?」
不安に思っているとリエットが声をかけてくれる。
「シィルくん、ここでポーション売りを始めたんだ!へぇー、たくさん並べたんだねー」
リエットの言う通り、とりあえず敷物の上には並べられるだけのポーションを置いていた。
「でも、これだけ多いと取りにくくないかな?」
「……あっ」
確かに所狭しと並べられたポーションは手に取るには不便であった。
「あとはポーションの値段がないと取りにくいかも……。とりあえず値札を置いてみようよ」
「うん、そうだね」
早速置きすぎたポーションを片付けるとポーションの値札を書こうとする。
「あっ、私が書いてもいいかな?」
リエットが手を上げてくれる。
「うん、いいけど……」
シィルが頷いたのを見るとリエットが早速値札を書き始める。
えっと……、『シィルのポーション。値段、金貨一枚……』
「えっ、な、なんで金貨一枚なの!?」
「別にシィル君のポーションならこれくらいのお金がしてもほしい人がいるから。せっかくだしお金も稼ごうよ」
リエットが親指を出して笑顔を見せてくる。
「だ、駄目だよ。ちゃんと普通の値段にしないと……」
「……はーい」
しぶしぶリエットは普通の値段を書いてくれる。
「まぁ、シィル君のポーションでこの値段なら売れないことはないけど、どのくらいの数を想定してるの?」
「数十本くらい行けばいいかな……と」
「はぁ……、それならゼロが足りないね。一つ書いておくからね」
そういうとリエットは勝手にゼロを一つ付け加えて、そのまま笑顔で去って行った。
シィルのポーション、銅貨八十枚。
ど、どう考えても売れないでしょ。
そう思っていると早速お客さんがやってくる。
「あれっ、今日はここでポーションを売っているのか?」
「はい、お店で販売することを考えているんですけど、まずは露店で……ということで様子を見てるんですよ」
「確かに様子見は必要だな。えっと、値段は……」
お客さんは値段を見て固まっていた。
やっぱりこの値段は間違っているよね。
「す、すみません、その値段は……」
「う、嘘だろ……、こ、こんなに安いのか? えっと、一人何本とか決まってるのか?」
「いえ、とくには……」
「わかった」
それだけ言うとお客さんは自分の財布をあさりだした。
そして、つかめるだけのお金を出してきて言う。
「これで買えるだけのポーションをくれ!!」




