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襲撃

鑑定使いの冒険者三巻が本日発売になります。詳しくは活動報告で。

 マリナの演説をシィルたちは一番いい席で眺めていた。

 ただその間、リンダたちが慌ただしく動いていたのが少し気になったが、それよりも今は目の前のことに意識を向ける。


 そして、マリナの公演も無事に終わる。

 色々襲われてたこともあるけど、お祭り中は意外と何もなかったな。

 シィルは少しホッとしていた。


 そのあと、お祭りもお開きで屋台の数が減っていったのでシィルたちは城の方へと向かっていった。

 ただ、リンダたちはまだ用があるようで少し残るらしい。マリナの方もまだ帰れないみたいなのでシィルはリウと二人城へと帰っていった。


 するとその帰り道の途中、ひと気が少ない路地で突然仮面を被った人物たちに囲まれてしまう。


「お前がシィルだな。ついてこい」


 仮面の一人が言ってくる。

 するとシィルを守るようにリウが前に立つ。


「お兄ちゃんはリウが守る」


 強い視線を仮面の人物へ向けるリウ。

 すると仮面の人物たちは一様に笑い声を上げてくる。


「お前に何か出来るわけないだろ。怪我したくなかったらどいてな!」


 たしかにリウが一人で相手にするには人数が多すぎる。でも自分にどうにか出来るわけでもない。


「わかりました。なんのご用事かわかりませんがついていきます」


 グッと覚悟を決めるとシィルは大きく目を見開いてそう言う。


「お兄ちゃん!?」

「リウはみんなのところに行ってきてくれる?」


 シィルは乾いた笑みをリウに向ける。

 今この場ではどうすることもできない。ただ、もしこの場にリンダたちを呼ぶことができたら?

 そのためには時間稼ぎが必要になる。つまり僕が身を張ることがこの場で一番いい方法な訳だ。


「わ、わかったよ。待っててね、お兄ちゃん……」


 リウが悔しそうにその場を離れて行った。

 それを安心しながら見るとシィルは仮面の人物たちの方へ視線を向ける。


「さぁ、それでどこに連れて行くんですか?」

「こっちに来い」


 仮面の人物たちに連れられてやってきたのはあの貴族の館であった。


 やはりユースリッドという貴族が自分のことを狙っていたのか。でもどうして?

 シィル自身ができることと言えば普通のポーションを作ることくらい。そんな自分を狙う意味なんてないはずだ。

 もしかしてマリナに対する人質に?

 いや、それならもっと適任が他にいるだろう。


 つまりは直接会って話を聞く以外にどうしてこんなことをしたのか……その理由を知る方法はないわけだ。

 ゆっくりと開かれて行く扉を見ながらもシィルは覚悟を決めて、仮面の男たちと一緒に中へ入って行った。

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