プロローグ
いやぁもう20ポイントついてるとは・・・
自分の才能が恐ろしい…静まりなさい私の右腕!!
はっ、失礼しました本文をどうぞ・・・
全身を見れるほどの大きな鏡の前で、パンツ一丁でサイドチェストやダブルバイセプス等のポージングをしながらそこそこにわくわくしている男がいた。
そう、彼こそ花咲広成である。
広成の起床時間は午前6時と高校の登校時間よりもかなり早い、学校までは徒歩15分ほどで着く。
登校前には主にネットで小説を読んだりゲームをしており、そして毎日の如く料理の練習をしているのは内緒だ。(結構うまい)ちなみに広成が通っている栄進高校は8:30までに教室に入れていればOKである。
そしていつものようにちょっとワクワクとした足取りで教室のドアを開ける。
と、その瞬間「おっす!花爺」、「なーりーおはよう」、「じいさんおはよう」「おたくンおーはー」などと人によっては顔にしわができる挨拶がいくつか飛んできた。(最後のおたくンだけは微妙に顔をしかめたが)
しかし高校生活で初めの、そして最も重要と言える行事である自己紹介で「中学の頃に呼ばれてた花爺とでも気軽に呼んでください。」と自分から宣言したのだからむしろいいと言えるだろう。
そして広成自体もそのあだ名を結構気に入っていたりする。ただおたくンだけは世間的にも広成にとってもあまり許容したくはないと思っていた。だが悲しいことに広成はかなりがつくほどのオタクである。
広成が席に着こうとする時に「なーりーおはよー」と言って颯爽と寄ってきた女子がいた。
広成に対して歩み寄ったボーイッシュな容姿をした彼女は女子生徒の中で数名の広成に話しかけてくる女子だ。
名前は『一ノ瀬朝日』(いちのせあさひ)といい、学校では男子からかなり人気のある、ショートヘアーが良く似合う165cmで胸もあるし教養もある、女子なのに男気溢れる女の子だった。
そんなトップクラスの陽の存在である彼女がなぜオタクである広成に構ってくるのかは、広成自身よくわかっていない。
可能性があるとすれば周りに男しかいないから私が花になってあげようじゃないかと広成が勝手に思っている理論か、母性本能からオタクとしてみんなに知られている広成を心配しているんじゃない?という周りからのものくらいだ。
それほどまでにこんな広成になんで構うんだ?というほど?がつく女子だった。
ちなみに広成は朝日が自分に構うのは恋愛感情を持っているからなのでは?とは1ミリたりとも思っていない。
自分よりも容姿が良く、成績が良く、性格もいい者なんてこの世の中にそれこそ星の数ほどいる。事実、少なくともクラスの中で広成は6割以上のものに負けている。
それに恋愛に飢える男子高校生に対し、恋心を抱いた女子がいるのならそれは高い確率で男子の方も気づくはずであり、唐変木系の主人公ではない広成ならばおそらく気づくはずなのである。
たまに広成は俺の地味な明るさに惹かれてるとか?と自分の長所を少し思うことがあるがすぐにそれはないと自己完結をする。
今も広成は「あぁどうも、おはよう」と微妙に引き攣った笑みで返すくらいしかできていないので内心(もしかしたら俺、こんな女子が苦手なのかなぁ?)と自分がわからなくなっていた。
そんな中広成と積極的に話てくる男子達がいた。
「おはようナリナリ、大事にしてあげろよ?」
「おーすっ、花爺アッツアツぅ~」
「確かに、なんかたのしそうじゃないのお二人さんw」
と、いつものようにからかってくる3人は、広成の幼稚園からの幼馴染で髪を短く切りそろえたモテ男フェイスの白石高広、そして中学で仲良くなった陽気で地味に天パぎみの優男、長谷川高人、こちらも中学からの仲の坊主頭で広成よりも長身の努力と根性が大好物である古市高生の3人組で栄進高の3高コンビと呼ばれているほどかなりの頻度で一緒にいる連中である。
それに対して広成は「違うからな?」と苦笑いで返答する。が「えっ!?違うの?」と朝日が驚いた顔で言うとちょっと教室がざわついた。
おい広成、てめぇ朝日ちゃんとどういう仲なんだよこらぁという視線を広成に突き刺す男子が数名いて広成は背中に何か冷たいものを感じた。
広成は大体いつもこんな茶化した感じなんだから察してくれよと思うが口にはしない。いや、できないといったほうが正しい。
そんなこんなでいつものように個性あふれる仲間たちと今日は共に昨日見たアニメの話から会話を広げていく。
そういってしばらくわいわいと駄弁っているとホームルーム開始のチャイムが鳴った。各々がそこで会話を切り、自分の席につく。先程までワイワイやっていた広成たちも例外ではない、大方いつもどおりの日常だった。
しかしその日が広成たちがこの地球の日本という場所で過ごす最後の日とは誰も知らず、ましてや予測などできるはずもなかった。




