「お前の背中に、キュウリが立ってるんだが!?」
念の為、R15指定。ボケとツッコミが大半で、少々下ネタありです。
苦手な方はお控え下さい。
「あのさぁ」
放課後、友人の達也に呼び止められる。
「ん?」
「ちょっと・・言いにくいんだけど・・」
達也は、不審者を見るような目で、おずおずと言う。
「お前の背中にさあ・・キュウリが立ってるんだけど?」
「は?」
「い、いや、やっぱり何でもない!」
「いやいやいや、キュウリって何?
どういうこと!?」
僕は焦りまくって達也に尋ねる。
「俺にも分からん」
「いや、分からんとか言ってないで取ってくれよ!」
背中に手を回してみるが、スカスカとした感触しかない。
「取れないみたいだなーコレ、見えるけど触れん」
達也がしゃがんで僕の背中をしげしげと眺める。
「いや何とかして、見てないで助けて!」
背中に訳の分からんキュウリが立ったままとか、もう一生お婿に行けない。
「お前、何かキュウリが背中に立つようなこと・・したんか?」
「ないないない!あってたまるか!!!」
「本当か?」
「ないって。昨日、河童の石像が立ってる川で立ちションしたぐらい」
「いやそれだろ多分。目つけられたな」
「立ちションくらいでか!?・・ちょこっとだけ、野〇ソもしたけど・・」
「うわ、最低。自分ちの家に、立ちションに野〇ソまでされたら、
ぶっ殺す!ってなるだろ普通」
「ちょっと、我慢できなくてさあ・・・土下座して謝ってくるわ」
「土下座してる隙に、尻子玉抜かれたりして」
達也がニヤリと笑う。
「ひぃい、止めろぉ!」
思わず尻を押さえて叫ぶ。
「これは死亡フラグ立ったな」
「え?死亡フラグって、キュウリだったのか?」
「絶対違うだろ!!」
いやまだ死にたくない。
「短い付き合いだったな・・成仏してくれ」
達也が早くも合掌している。
縁起でも無いわ止めろ。
「勝手に殺すなァ! もし死んだら毎晩、
お前の部屋にキュウリ持って出てやるからな・・覚えてろよ」
「無駄に迷惑だな。お祓いとかどうよ」
「お祓いって高くね?今、金欠でさあ・・もうちょっと安上がりで」
「自分の命がかかってるのに値切る奴、初めて見たわ」
「余計なお世話だ」
「魔除けだったら・・塩でも擦りこんでみるか?」
「とりあえずやってみようぜ」
僕らは、こっそりと調理実習室から塩をパクってきた。
達也がシャツをめくって、僕の背中に塩をガッサガサと擦りこむ。
「塩加減、どうですかぁ?」
「もうちょっと優しく頼むわ」
「当店では、自業自得のお客様に余計にサービスしておりますぅ」
達也がザリザリと豪快に背中を擦る。
「ちょ・・痛い痛い!ヒリヒリするって」
「贅沢言うなよ。
あ、なんかキュウリ小さくなってるかも」
「本当か?漬物みたいだな」
「あー、縮んできた、しなびたチ〇コみたいになってきたww」
「人の背中にチ〇コ言うな!」
「黄色くなってきたな・・あ、消えた」
「マジか!?良かったああああああ」
これで一安心。
キュウリよ成仏しろ。
・・と、思いきや翌日、
達也が思いきり不審者を見る目で、僕の背中を見ながら言う。
「お前・・またキュウリが背中に立ってんぞ」
えぇ・・またですか。
「しつこくね?」
「立ちションと野〇ソの恨みだな」
「それ蒸し返すの止めろ」
「キュウリの弱点って何かあるか?」
「うーん・・キュウリを食べる奴とか」
「キリギリスか・・コオロギとか?」
「どうやって頼むんだよ」
「京都に鈴虫神社ってあったろ。コオロギ神社もあるかもな」
「お前・・それ適当に言ってるだろ」
「調べてみようぜ」
僕たちはグールグルマップで検索した。
・・あった
まさかのコオロギ神社が。
地図には「枯悪呂奇神社」と出ていた・・
「何か名前ヤバそう・・」
「暴走族か?」
脳内で、バイクに乗ったコオロギが中指立てて「夜露死苦」と叫びながら爆走している。
ともかく、僕らは枯悪呂奇神社でお参りをした。
達也曰く、その後キュウリは見えなくなったようだ。
・・・が、
夜になると、いつもコオロギの鳴き声がする。
・・コロコロコロコロコロ・・・
ちょっと、うるさい
毎晩毎晩、鳴き声がする。
最初は、キュウリを退治してもらったので我慢していたが、
ある日、寝付きの悪かった僕は
「うるさい!お前らすり潰してせんべいにすんぞコラァァア!!!!!!」
と思わず叫んだ。
その夜、コオロギの大群に襲われる夢を見た。
真っ黒なコオロギの波が押し寄せてきた。
奴らは僕に群がって身体を囓り始める。
「ぎゃあああああ」
悲鳴をあげて逃げる。
が、ふと気がつくと、大事な所が囓られて半分位になっていた・・
ショックを受けて逆ギレした僕は、猛然と反撃する。
「よくも・・!!うぉおおお!!
息子の敵!!虫ケラども、皆潰しにしてくれるわー-ーっ!!!」
と、片っ端からコオロギの大群を叩き潰し、
一匹残らず、炙ってコオロギせんべいにして食ってやった。
朝、目覚めて身体を確認すると、
どこも囓られていなかった。
やれやれ。
僕は心底安心し、胸をなで下ろす。
その後、コオロギもキュウリも出ることはなかった。
自業自得な主人公のお話です。コオロギはとばっちりしかない・・
元々はホラーとして考えていたエピソードですが、色々改悪してこうなりました。
作中の神社は架空のもので、グールグルマップは誤字ではなくパチモンです。
本家のMapも、たまにグルグルさせられます・・




