見つかったよ!
「ははは、まてまて、よいよい、確かにそうじゃな、銀が見つかったら、それらは追々やってゆけ」
俺のやってみたいことの列挙を聞いて、クロードは笑いながら言った。そして、
「当面、どうじゃ、何かもっとすぐにできそうなことを申してみよ」と付け加えた。
「ならば、水車はまた後にとして(あちこちに水車を作りたいと言うのも列挙の一つだ)、とりあえず石臼を一つください」
と、俺はおねだりをした。
「それと、鍛冶屋、木工職人、船大工、とにかく領内の職人と商人を紹介してください」
と、これもお願いした。
「う〜む、石臼は五郎左、手配してやれ」とクロード。
「はっ、届けさせます」とゴローザ。
「職人に商人か… まずは銀を見つけて河原田様に相談じゃのぉ」とクロード。
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藍原様に仕えることになった俺だけど、とりあえずはおはまさんとおていさんの家での日常に戻っていた。
ゴローザが石臼を持ってきてくれたよ。
ここん家の臼はみんなの食料用の粉挽きだから、俺専用の臼をもらったのだ。
(水車作ってくれと言ったが、職人がいないらしい)
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ここいらは、たたき工法でお馴染みの大間港のすぐ側だ。
そう、金銀もとれるが石灰石もゴロゴロしている。
俺は山から「これ石灰石だよなぁ」という石ころを炭のヨコで焼いては砕いていった。
◯俺がやったこと其十
風呂を作る
炭焼き穴でドンドン焼いてる火の上では流下式塩田モドキで塩分濃度を濃くした海水を煮詰めて塩とニガリを作り、そして炭のヨコの方では石灰石を焼く。
海岸で貝殻も拾ってきて、一緒に焼いた。
焼いて砕いた石灰石と貝殻は俺専用臼でガリガリとさらに細かく砕いてニガリと土と混ぜて、「なんちゃって三和土」を作った。
出来た三和土を炭焼き穴の近くから家の方まで地面に塗り土間を作る。
土間の火に近い方の畳一畳分くらいの周りを竹を組んで囲んで、その竹にも「なんちゃって三和土たたきを塗りつけて、人が二人入れるくらいの浴槽を作った。
お湯が抜けるように穴を開けて、竹で栓ができるようにしておくのが肝心だ。
「なんちゃって三和土工法浴槽」が乾いたら、隣でドンドン炭を焼いている火で真水をドンドン沸かしてお湯をはってみる。
うまくできたっぽいので、入ってみる。
『あぁ、日本人はやっぱり風呂だねぇ…』
「ショーゴ、それなに?」
「それなに?」
タスケとかずちゃんが騒いでいる。
「風呂が出来た。一緒に入るか?」
俺が誘うと
「入るっ」
と、二人はすぐに服を脱いで風呂に突進してきた。
「おい、お湯に入る前にかかり湯をしてから入れよ」
ザブーン!
俺の注意は間に合わず、二人は直接湯船に飛び込んできた。
『確か、相川温泉ってあったよな・・・ 他にも佐渡って温泉湧くのかな… 温泉街もつくりたいね』
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そうこうしているとゴローザがやって来た。
俺が浜辺でマイ船パートⅡを作っていると
「ショーゴ、見つかったぞ〜!」
と、ゴローザが船から叫んでいる。
とりあえずは村に上陸したゴローザを作りかけのマイ船パートⅡに座らせて落ち着かせて、
「見つかりましたか?」俺。
「ああ、見つかった。銀鉱石も椎茸も」ゴローザ。
『ぁ、椎茸探索隊も結成されてたんだ(;´∀`)』
「椎茸は日当たりの良い、風通しも良いところで四、五日干してください。それから、椎茸探索隊と会わせてください。今後の椎茸栽培のレクチャーをしますので」俺。
「れくちあ? か、よし、わかった。椎茸のことは、まぁ良い。それで銀だが」ゴローザ。
「見つかりましたか? どれくらい見つかりました?」俺。
「うむ、三組をそれぞれに探しに行かせたのだが、三組とも見つけて持って帰ってきよった」ゴローザ。
「では、また藍原様のところに伺わねばなりませんな」俺。
「今から行けるか?」ゴローザ。
「はい、着替えてきます」俺。
俺は、リクルートスタイルに着替えて、ゴローザの船に乗せてもらって藍原様のお屋敷に向かった。
せっかくマイ船を作ったのだから、マイ船で行ってみたいが、船と言ってはいるが筏だ。
無茶苦茶濡れる。
とてもスーツ姿で乗れるものではない。
それに、何度かマイ船に乗って海に出てみたときに、潮の関係か北に向かって漕ぐのは楽だが、南に進むのはかなりの重労働だった。
あれで藍原様のお屋敷まではとても辿り着けそうにない。
今作っているパートⅡは帆を張る予定だから、風と潮流をよめばもっとスイスイと行けるはずだ。
あれが完成したらマイ船で出仕できるようにしようと思う。
あれ? 其九がとんでる?(^_^;)
おはまさんとおていさんにもお風呂に入ってもらったよ。




