軍艦島と猫島と粟島
大岡丸は順調に博多に到着した。
積み荷はほぼ神屋さんと明の商人との取り引きだ。
明からの仕入れの一番は相変わらず「銭」だが、今回の目玉は「豚」と「ロバ」だ。
さらに「ジャガイモ」「トウモロコシ」、そして「サトウキビ」も手に入った。
大岡丸の積み荷だけでは足りないので、銀を少々持ち出してしまったが、何せ喉から手が出るほど欲しいもののオンパレードなので、背に腹はかえられない。
「サトウキビ」は後から来る遠山丸で台湾に持って行くが、他は一旦佐渡に持って帰って増やす。
探してくれと頼んでいた銃は「鳥銃」と言うものがあるとのことで、今回は持ってきていないが、次回の取り引きには用意してくれるとのことだ。
「フレックスナントカ」って言う後ろ込めの銃はないかときいたら、よくわからないが、「フランキ砲」って言う大砲ならあるらしい。
『うん、それも欲しい』
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追っつけ遠山丸も博多に着いた。
遠山丸には敦賀から戻って来た時に丹後水軍衆に乗り込んでもらい、佐渡からは石花五郎左の家臣の池田蔵人直正(こいつもクロードだな… ナオマサと呼ぼう)を乗り込ませた。
池田直正には、台湾南部入植計画と、もうひとつ別の指示をしていた。
俺の頭の中にあった「炭鉱」は「夕張炭鉱」と「三池炭鉱」、それと「軍艦島」だ。
もっと佐渡の近くにも炭鉱はあるんだろうけど、俺が知らないから探してくれとも言えない。
俺はスマホの地図で軍艦島を調べ、端島(軍艦島)を見つけて描き写しナオマサに渡した。
台湾に向かう途中に軍艦島に寄り、この島の現況調査と、可能であればこの島での石炭の採掘を神屋さんに依頼するようにとの指示だ。
ナオマサは蔵人を名乗っている通り、なかなかの文官肌の武将だ。
なんとか上手くやってくれ。
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そして、俺は俺で、手近な島の調査をする。
今、相川には「ペアリバー号」と「ストーンフラワー号」と言う「ハーモ1号」と同じ型の船がある。
その内の「ストーンフラワー号」を駆って、以前、西に向かった時に見た「猫島」と呼ばれていた「舳倉島」と村上の方まで行った時に海上に見えた「粟島」と言う島を調査しに行く。
同行者はゴローザとトクベー。
舳倉島には朝出て日が傾き始める前には着いた。
そのまま島の周りをクル〜っと一周まわってから上陸した。
「こんにちは」
俺は浜辺で魚とサザエを焼いていた男女(夫婦かな?)に声をかけた。
「はいな」と男の方。
「なんねぇ、人が来るっち珍しい」と女の方。
「すみません、こちらのご領主さんはどちらになりますでしょうか?」と俺。
「ご領主さん…? わしかの?」と男の方。
「あんたではないっち。誰かのぉ… ほっさんじゃないかね?」と女の方。
この島には領主はおらず、五組ほどの家族が漁師をして暮らしており、二人はやっぱり夫婦で、旦那さんが甚六、奥さんがおつなさんと言うそうだ。
ほっさんと言うのは島の一番の長老で、長老とは言っても四十くらいの人だった。
「誰も年貢を取り立てにきたりはしてないのですね?」と俺。
「はぁ、ねえぞ。なんも持ってくもんなんぞねえで、誰も取りに来たりもせん」とほっさん。
「では、今日からこの島は佐渡の本間家の領地とします」と俺。
「はぁ、ほうするとどうなるね?」とほっさん。
「佐渡からこの島に何人か移り住んできます。それで島を開発しますので、皆さんも手伝ってください」と俺。
「それで年貢を持っていくんかね?」とほっさん。
「あ、いや、何年かは持っていくよりも持ってくるものの方が多いと思いますよ。ちゃんと島が開発できて、皆さんの暮らしが良くなってから年貢のことは考えましょう」と俺。
「暮らしが良うなるんかい?」とおつなさん。
「本間家が領主であるうちは良くなりますよ。他の領主ならわかりませんが」と俺。
「そなら、その領主と言うのに本間家になってもらってええで」と甚六さん。
「はい、近いうちに代官を派遣しますので、皆さんによろしくお伝えください」と俺。
ウ~ン、舳倉島は歓楽島にするにはちょっと遠いかな…(;´∀`)
鮑がよく捕れるらしいので、干し鮑の産地にしよう。




