密書がきたので回答した
宮川の領地は兵を集め始めた本庄氏、鮎川氏と、新発田氏、加地氏の間の中条氏の領地の浜側にある。
中条氏、北隣の黒川氏、東隣の色部氏あたりは比較的府中長尾家寄りの国人領主ではあるが、史実ではこの時はことごとく反府中長尾家に転がっていく。
狭い耕作地だけれど、せっかく田植えしたのに、去年蒔いたお茶の芽もヒョロヒョロながら育ってるのに、そこを荒らされたらたまったもんじゃない。
塔ケ崎の砦の100、渡部と新保の干拓部隊各100とは別に、作ってもらうように頼んでおいた「竹束盾」と「壁荷車」も出動させて、スコップ部隊、スリング部隊、クロスボウ部隊、長槍部隊を総動員して、宮川の領地の近くの中島の浜に続々と送り込んだ。
竹束盾はこれから鉄砲が普及してきたら、弾除けのために開発される盾だけど、当然、矢にも有効なので技術・開発部門に作ってもらっていた。
壁荷車は荷車の両側に板を立てて、荷物も運べるし、移動できる壁としても使える。
これも技術・開発部門に依頼していたものだ。
上田長尾家、上条上杉家からは挙兵した本庄氏、鮎川氏、新発田氏、加地氏だけでなく、色部氏、黒川氏、中条氏、五十公野氏、竹俣氏、安田氏、水野氏にも共戦の呼びかけはあった。
挙兵した本庄氏、鮎川氏は北に位置するので南進しかけて、態度を保留している色部氏、黒川氏、中条氏の出方を見ている。
南に位置する新発田氏、加地氏は五十公野氏、竹俣氏の領地を通って進軍し、半強制的に両氏にも兵を集めさせるようにした。
そんな中、アリヤスからお呼びがかかった。
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雑太城評定の間
「本庄から密書がきた。これじゃ」とアリヤス。
「おお、わしのとこにも来ちょったぞ」とマサヤス。
密書の内容は「これから揚北衆が一丸となって府中長尾氏と戦うので、雑太(久知)は久知(雑太)とともに、この期に羽茂に攻め入ってはどうか」と言うものだ。
「さらに領内で、「羽茂が府中長尾氏の力を借りて雑太に攻め込もうとしている」と流布している者がおりました」と馬場正時。
「間者か?」とサダカネ。
「本庄氏の差し金かと」と脇に控えていた渋谷三郎左が言った。
「そ奴らは捕まえて鉱山で強制労働させております」と渋谷十郎左。
「ハハ^^; 半年くらいで解放してあげてね」と俺。
「数年前じゃと、踊らされちょったかも知れんの」とアリヤス。
「ああ、なんじゃろ、この書状を読んだときに、何やらいろんなものが透かして見えた。昔ならきっと見えちょらんかったわ」とマサヤス。
「本庄氏は春日山とつながっているのは羽茂単独だと思っちょるのかの?」とコレヒデ。
「どうじゃろ? 密使ではなく密書で送ってきて、間者も放っちょるところをみると、動きを確認したいのかものお」とマサヤス。
「いずれにせよ、小細工せずに真正面から回答しましょう」と俺。
回答書は本庄氏だけではなく揚北の全ての国人領主に宛てて出した。
「この度は揚北の方々より、「雑太と久知は羽茂に攻め入ってはどうか」との提案をいただいたが、佐渡は一つにまとまり府中長尾氏方につくので、揚北の皆様方も春日山に弓引くことなく、ともに越後をもり立てましょう」
みたいな内容を外交部門がつらつらと書状にしてくれて出してくれた。
その結果、まだ態度を保留していた色部氏、黒川氏、中条氏、安田氏、水野氏は挙兵を見送った。
北で挙兵していた本庄氏と鮎川氏は、挙兵を見送った黒川氏と色部氏を府中長尾氏方とみなして、それぞれ攻め込んだ。
本庄氏と鮎川氏に対して黒川氏と色部氏、それに中条氏は、敵対せずに自領を通り抜けることを許可すると揚北衆同士の戦を回避しようとしたが、本庄氏は黒川氏にともに挙兵しないのなら攻めると通告した。
一方、南の新発田氏、加地氏、五十公野氏、竹俣氏は阿賀野川(揚河)を越えて南下しようとしていたが、背後に危険を感じて、新発田氏の領地に隣接する中条氏の領内にとって返してきた。
北からは本庄氏と鮎川氏が黒川氏と色部氏の領地に、南からは新発田氏、加地氏、五十公野氏、竹俣氏が中条氏の領地に攻め込んで、戦うと言うよりも挙兵を促すと言う感じの攻防だ。
そんな中、中条氏の領地に入ってきていた新発田軍の一部が宮川の村にまで入ってきた。
途端に宮川防衛隊は竹束盾と壁荷車で新発田軍の侵攻を阻み、スコップで殴り、長槍で突き、離れたところにいる兵にはスリングでグュングュンと石を投げ込んだ。
鉱山での労働はできるだけホワイトな環境を心掛けております(;´∀`)
その結果、その捕らえた間者を強制労働から解放しようとしたら、そのまま働かせてくれと言ったとか…




