越冬準備
奈佐日本之助に会って、「パクリ北前船構想」の話しをして大いに盛り上がり、「その構想には何としても関わりたい」と息子の隠岐之助を預かったので、南行きの挨拶まわりも早々に済ませて佐渡に戻ることにした。
隠岐之助は久万吉と同様に羽茂の家臣になってもらい、二人には佐渡水軍の要になってもらおう。
当の隠岐之助は「海はつながっちょるし、どこでもすぐ行ける」と喜んでついてきた。
高信様に、人材育成も含めてその辺をお願いしておいて、俺はうち(おはまさんとおていさんの)に戻って越冬に備えよう。
塩水選とほんの気持ち程度の正条植えのおかげで、河原田領内はそこそこ豊作だった。
その実績で、来年の種籾は全河原田領内(沢根領も)と羽茂領内まで塩水選をして取り置いた。
伝助さん、克治さんと夏弥太さんを中心にモロモロの道具製作をしてもらっている職人方も、範囲を沢根、羽茂まで広げて技術共有してもらう。
試作してもらっていた千歯扱きが大好評なので、他にも追々絵を描きながら紹介していた逆行転移チートお決まりの農具をドンドン作って、もっともっと人を増やして育ててくれと言ってある。
鶴子の銀は、相川の設備がまだまだ整わないので、当面は西三川での大流しと銀鉱石のままでの資金づくりをしている。
資金づくりと言いつつも、今のところは銭ではなく米の在庫を増やしまくっている段階だ。
この時代の米は通貨だし、パクリ北前船で北に向かう時の積み荷は俵物がメインだし、酒も造らなきゃだし、相場で儲けるにも元手の米が必要だし、米は貯めとくに越したことはない。
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一方その頃
雑太城
「どうなっておるのじゃ?」
「羽茂がやたらと船を造っておるとか」
「銀が採れとるらしい」
「稲穂をデカい熊手みたいなものでこそいじょった」
「みろ、この酒じゃ。これを造っちょるようじゃ」
「これがソバサバと言うものじゃ」
雑太城の評定の間に集まった面々、
本間孫四郎有泰(本間家惣領、佐渡国守護職)
本間坊ヶ浦主膳(本間惣領家家臣)
和泉本間左京亮豊季(和泉本間家領主)
潟上本間対馬守高康(潟上本間家領主)
久知本間加賀守正泰(久知本間家領主)
吉住本間新六郎惟秀(吉住本間家領主)
河原田本間家と羽茂本間家の活気を察知した他の本間家が集まって話し合いをしていた。
「河原田も羽茂も人が増えちょる」
「商人も頻繁に来るようになったしの」
「河原田の田んぼの穂がえれえこと実っちょった」
「この酒、美味ぇのぉ」
「このソバのパンつうのも美味い」
普段は小競り合いばかりして話し合いなどしない和泉、潟上、久知、吉住の当主が惣領家に集まって、あーでもないこーでもないと不毛な論争を繰り広げていた。
「各々200は出せますかな?」
ほぼ雑談になっていた話し合いに割って入り、本間惣領家の本間有泰が問う。
「いきなり攻めるんか?」と久知正泰。
「いや、まずは河原田と羽茂に挨拶に来させよう。来れば、何をしておるのか問いただす。来なければ攻める。来なかった時の準備を今からしておく。各家200づつ、うちが倍の400を出して1200で向かえば手も足も出まい」と有泰。
「河原田と羽茂が組んできたら、そこそこの人数を集めそうじゃぞ」と吉住惟秀。
「しかし、確かにここでたたいておかんと図にのりそうじゃの」と和泉豊季。
「刈り取りが落ち着いたらそれぞれ動員準備をしてくれ。その上で河原田と羽茂に使者を出す」
活気づく河原田と羽茂の影響で、珍しく団結した他の本間家が戦の準備をはじめたのであった。
最初は有泰に転生させようと考えてたんだよねぇ(;´∀`)




