一方羽茂では
「神屋さん、「灰吹き法」では鉛を使いますでしょう。鉛は毒を出しますから、換気や排水には気をつけてください。作業する人や周りの人に害のないように」と、「灰吹き法」で一番の心配事を伝えておく。
「それは知らんかったと。気いつけさせんとなあ」と神屋さん。
「組屋さん、相川に作る施設も、換気と排水に気をつけてもらうようにお願いします。排水は川や海に流す前に灰を放り込んだ穴に何度か貯めて、上澄みを段階的に流してください」と面倒なお願いもしておく。
「なんや面倒くさいですなぁ。けど、わからんことでも言われたことはちゃんとやりまひょ」と組屋さん。
三和土工法のレクチャーもした。
レンガも普及してないようなので、普通のレンガの作り方と、できるかどうかはわからないけど、粘土にわらとか西三川の砂とか混ぜて耐火レンガが焼けないか、やってみてくれと言っておいた。
耐火レンガは確か、耐火レンガを焼くのに耐火レンガがいると言うジレンマにおちいるとかなんとか…
使い捨ての普通の炉で高熱で焼いて、その高熱で焼いたレンガで、また使い捨ての炉を作ってさらに高熱で焼いてと、できるとわかっていなかったら、なかなか繰り返せない試行錯誤をしなければできなかったはずだ。
でも、これができたら超チートなはずだ。
頑張って作ってもらいたい。
牛の骨も集めてもらわないとなぁ…
全部、島内で揃う佐渡って凄いなぁ(´A`)
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と、まぁ、相川エリアは港から街並みから、レンガ三和土造で街づくりをしてもらって、俺は俺で本格的な冬を迎える前に家のすきま風を少しでも減らそうと、家のあちこちの隙間に三和土をすり込んだりしていたら、羽茂から高信様が、なんかムッチャヨットっぽい船に乗ってやって来た。
林殿と松ヶ崎の久万吉も一緒に乗っていた。
「ショーゴ、どうじゃ、この船は?」
自慢げに指さした三人が乗ってきた船は、まさにディンギーと呼ばれるタイプのような仕上がりだった。
「素晴らしいじゃないですか」と俺。
「じゃろ、じゃろ」と高信様
「こいつ、無茶苦茶速いっちゃ」と久万吉。
「春には関船級が一隻と小早級が何隻かできよるで、蝦夷にむけて出航させようと思おちょる。その前にこいつで一度行って帰ってこようと思おてな、どうじゃ?」と高信様。
「そりゃぁ、そりゃぁ、そりゃぁ、『寒そうだなぁ… じゃなくて』、そりゃぁ、是非とも行かなくては!」と、俺。
「しかし若、この時期に蝦夷までとは凍えますぞ」と、林殿がもっともなお諌めをなさった。
「行けんか? 久万吉」と高信様がきくと、
「行けんことはないけんど、キビシイっちゃよ」と久万吉。
「では、では、蝦夷までではなく、出羽の安東水軍、越後の柏崎水軍と山陰の尼子水軍に挨拶に周ろう」と俺。
「おぉ、それならそこまで無理強いでもなかろう、の、主計」と高信様。
「まぁ、それならば」と林殿。
「まだまだうちは戦力が整ってませんので、当面は下手に下手に行きますので」と俺。
「むう… そうか」と高信様。
「そうしてください」と林殿。
「主な目的は、春に蝦夷まで行って帰るときの通行料と港の使用料の交渉です」と俺。
と言うことで、本格的に寒くなる前に(もう結構寒いけど)、この松ヶ崎製のディンギー(ハーモ1号と名付けよう)で周りの海賊(水軍)への挨拶まわりをすることにした。
うち(おはまさんとおていさんの家)が隙間塞ぎをしていると、村のみんなも真似をしだしたので、気密性が高まると家の中で火を使うと「一酸化炭素中毒の危険性があるので、こまめに換気するように」と説明したが、「せっかく暖めたのに換気したら寒うなるじゃねぇか」と言われた。
まぁ、どの家も少しくらい隙間塞いでもまだまだヒューヒューと風が通っているので大丈夫か。




