越後は長尾氏と仲良くしたい
なお、ただの一般ライトノベル読者が書いているものですので、時代考証とかは平にご勘弁を…(;´∀`)
「川舟屋さんが十貫で一俵つけておられたら、うちも並べなければならないでしょう」と薩摩屋さん。
「ぃゃ、そこはまずはおつきあい優先ですから、薩摩屋さんの言い値で、仮に二十貫で一俵ならそれで、準備させていただきますよ」と俺。
「磯田様、菱田様は厳しいですわ」と薩摩屋さんは同席していた磯田徳之進に言った。
トクノシンは苦笑いしている。
あ、言い忘れていたが薩摩屋さんとの商談は河原田城下で磯田徳之進・徳兵衛親子が同席して行っている。
と、そこに後から石花様も入ってきた。
「おつきあい優先と言われましたらそれこそ川舟屋さんと並べさせていただきます。十貫で一俵でお願いします」と薩摩屋さん。
(薩摩屋さんは十五俵の米俵を持ってきてくれている)
薩摩屋さんが川舟屋さんと同じ相場を示してくれたのでその件はヨシとして、
「五郎三殿、試作は持ってこれましたか?」と、俺は石花様にたずねた。
「樽ひとつと、こちらを試し飲み用に持って参った」とゴローザ。
石花様には、藍原様のところから試作中の清み酒を持ってきてもらうようにお願いしていたのだ。
「薩摩屋さん、酒は飲まれるクチですか?」との俺の問いに、
「目がない方で」と薩摩屋さん。
「では、まずはこれを一口」
と、俺はゴローザが持ってきてくれた試飲用の清み酒を徳利から小さめのお椀に注ぐ。
薩摩屋さんは飲む前に色を見て、匂いも嗅いで、
「これは、澄み酒ですか? 京の近くの寺でつくられていると聞いたことはありますが…」
と言ってから飲んだ。
「ほぉ、これは美味い。スッキリしているのに精も強く頭に抜ける美味さだ」と、薩摩屋さんの試飲レポ。
「薩摩屋さん、この酒はまだまだ試作品なのですが、いかがでしょう? 薩摩屋さんが今回お持ちいただいている酒三樽と、この酒一樽で交換と言うことで…」と俺が言うと、
「この酒が手に入るなら、それは有り難いお話です。またすぐに持ってきますので是非私どもで扱わせてください」と薩摩屋さんは返してきた。
やはり一番近いし、薩摩屋さんとは懇意にしておきたい。
『ここはちょっと商売だけではなく、政治のこともお願いしておくか…』
「これからも目新しいものができてくると思いますので、どうぞよろしく」と俺。
「それは楽しみですな。そういえば干しアワビと干しナマコも少し見かけましたぞ」と薩摩屋さん。
そうそう、この辺でもアワビやナマコが採れるときいて、早速干してます(*^^*)
「ときに薩摩屋さんは、長尾様にお仕えされておられるとか…」と俺。
「いやぁ、手前どもは商人ですので、商売の方で何かと良くはしていただいておりますが…」と薩摩屋さん。
「俺は、越後では長尾様とのつながりを重視していきたいと考えています。羽茂の姻戚関係も大切にしていきますし、薩摩屋さんにも、是非とも長尾様との関係をとりもっていただけたらと存じます」と俺。
「左様でございますか。それは心強いことと存じます」と薩摩屋さん。
その後の実務は磯田親子に任せて、俺は村に帰った。
磯田親子には、川舟屋さんがまた来たら、川舟屋さんとも同じように「にごり酒」三樽と「清み酒」一樽の交換比率を伝えてもらうようにして、薩摩屋さん、川舟屋さんが持ってきた「にごり酒」を藍原様のところにドンドン送り込み「清み酒」にしてもらうようにお願いしておいた。
次に川舟屋さんが来るまでに、薩摩屋さんは「清み酒」欲しさに三回も来たらしい。
しかも九樽、十五樽、三十樽と持ってくる「にごり酒」の樽の数は増えたとか。
そして次に若狭の組屋さんが来るまでに、薩摩屋さんは五回、川舟屋さんも四回やって来たとか…
「清み酒」が広まって需要過多になってきたら、交換比率は上げます。
いずれは酒蔵をつくって、本格的に「清酒」造りを始めます。




