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ご機嫌伺い

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

嫌だと思って撤回したのに、好奇心にかまけてまた来てしまった話。


好奇心ぶち上げるなら、それ相応の覚悟も一緒くただ!!

神社を訪れた。貴方様は来る事がさも分かりきった様に私の腰に手を回すと、颯爽と長椅子まで案内し、御自身も隣に腰掛けた。雰囲気は明朗快活。けれども視線は笑っては居なかった。ただ鋭利な光を灯し、すっと私の心情を射抜きにかかる。お見通しの、様だった。

「白羽様…………」

視線が鋭さを増した。雰囲気だけは明るかった空気が、しんと静まり返り冷気を放つ。苛立って……いるようだった。表情には辛うじて出してない。いや……無表情だからこそ伝わる物もある。冷たくて怖い……。

煮え切らない態度に業を煮やしたように溜息を一つ。それから口をへの字に曲げて、目付きを釣り上げた。

「この間はすみません…………。もう何も聞きませんから」

「その時点で真実が知りたいんだろ? だから此処に来た。切り出し方になった」

以前、私のクラスで嫌な噂が出回った。それは貴方様の地雷を踏み抜く様な事。でも……この場所でそんな事が起きるとは考えにくかったから、躊躇いがちに話を切り出したのだ。

結果、態度にありありと出ていた。その話は辞めろと。聞きたくないと。だから……辞めた。もうすっぱり諦めて、何食わぬ顔で世間話をするつもりだったのだ。けれども口をついて出たのは、躊躇う言葉。

「何時も言っているだろう。躊躇うなと。俺のご機嫌取りをするなと」

「でも……」

分かっては……いる。人の機嫌を伺うばかりでは、何者にもなれないと。ただ澄んだ水の様に、容易く染まって、自分の色が消える。それではお前はなんなのだと。自分の個性がないじゃ無いかと。

けれども前例がある。無理矢理自分の意思を貫き通したせいで、ご縁が切れた事もある。今回も……同じ轍を踏む訳にはいかない……。

「お前が思っている以上に、世界は目まぐるしく変わる。何一つ変わらない昨日と同じ今日を送っていても、必ず変化してる。そんな中で唯一変えてはならないのは、お前の気持ちだ。覚悟だ。そして吐いた言葉だ。以前、お前は『真実を知りたい』と言った。その時は俺の機嫌など取るに足らなかった。しかし直ぐにその目は消え失せた。今もそれが続いている」

あの時私は、白羽様の不機嫌さを垣間見て、謝罪一つで逃げ出したのだ。ただ一つ『すみませんでした』と叫んで。

「まぁ話すのは嫌だかな。とっとと忘れたい汚点だ」

やっぱり。

「だがそれ以上に、お前の言葉に振り回される方がもっと嫌だ。お前の気分に合わせて合意したり否定したり、それを延々と繰り返す方がもっと嫌だ。だから話す。何時も言っているだろう好きにしろと。俺の機嫌は取るなと」

そう言って、白羽様はへらりと笑った。憑き物が落ちた顔をして切り出した。語るのは忘れ去りたい過去。でも、話してくれた。

とっても人間くさい話が出来ました。


神様って、人の願いを聞く能力持ってそう。

という訳で、何も言わなくても白羽様察知してそう。

何があったか知りたい事とか、嫌だからこそ聞きたい事とか。


俺に対してしんどい過去話させるなら、お前も覚悟持って聞きやがれよ? 途中、しんどくて撤回したり、怖くて逃げるなよ?


という思いを込めて、不機嫌さマックスだも思います。

それでも怯まずに掛かってきたら話してやる。みたいな。


九曜様みたいなところがありそうです。

あの方も煮え切らないと発破掛ける方なので。

『お前の躊躇いを聞くために俺はいるんじゃない。道行決めたのならばさっさと行動に移せ』

という様な。

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