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小悪魔な女神  作者: 神野愛輝生
第二章 小悪魔な翻弄
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第二章 第五話 不穏な関係再び

暫く距離を保つ事に成ったアキオと多部。

アキオは仕事に精を出しながら寂しさの影響か少し惹かれる女性が現れる。


一方の多部も狂犬と言われた隣町の元、頭に恋される。


再び波瀾万丈な関係を生む不穏な方向に進んで行く。

春に成り定時制高校も卒業して正式な社会人になるとアキオは更に精を出して仕事に励んだ。

電話機器のセールスは半ば詐欺の様な販売方法を取る悪い社員達の影響も有り、悪徳商法にも取られ苦労する事は多々有ったが、アキオの実直な営業スタイルに好意を持ち追加や紹介などで成績を伸ばす事も出来たのでやり甲斐は持てる仕事で有った。


更に入社時に会社の看板として講義していた若干20代前半の若さで有りながらトップセールスを続け、BMWの6seriesも所有する憧れの先輩、佐良から目を掛けられ、何故かアキオのチームの営業活動に同行してくる関係に成っていた。


アキオがリース料を払い会社から借りている車で日々ターゲットとする街に向かい、午前中は部員達がアポを取りに周り、アポが取れた先にはアキオが説明、交渉を行いに向かう。


その為、午前中は佐良先輩と待機している時間が多く、仕事の事は勿論、人生観、恋愛観、会社や社会などの世の仕組みを多くを語り合った。


その様な事も有り、アキオは佐良に滅法可愛がられた。


そんな師弟関係の二人は仕事を終えた後、池袋の街に繰り出し飲み歩いた。


佐良は月に100万円以上稼いでるだけ有って気風が良く、アキオは女性のいるクラブにも度々連れて行って貰っていた。


色々な店を通う中、水商売の女性は苦手と感ずるアキオに何故か心を許して話せる雄一の女性がいた。


その女性の名は麻里恵。


歳はアキオと同い年の19歳。


髪はショートでテキパキと仕事を熟し、無理な派手さも無く、魅力的な女性であった。


アキオは恐らく多部との隔たりと寂しさが有り、麻里恵に少し気持ちが流れ掛けていたのだろう。


クラブが深夜12時に閉店するとアキオ、佐良、麻里恵の3人で朝まで飲み歩いた。


多部との事で生まれた心の隙間を埋めるひと時で有った。


一方、多部には大きな転機が近づこうとしていた。


隣町の不良チームの頭が多部に恋をしたのだ。


自分の地元と仲の良いチームなので良く知っている人間だ。


現役の頃は狂犬ぶりが凄まじくヤクザでもお構いなしに鉄パイプで殴りつけるなど三多摩全域でも名が通り恐れられている奴だ。


彼の名は宮野一樹。


宮野はチームの先輩に地元ヤクザの親分の息子がいて、その親分が宮野を可愛がっているのでどうにか命を保っていると言われていた。


現役引退後は随分と丸く成り、たまに光輝達と一緒にツルむ時は気さくな良いイメージも持つ。


ただ切れると暴走する性格はそう変わるものでは無いだろうし、光輝達のチームと違い向こうの元チームはどっぷり極道に嵌りヤクザになっている人間も多い。


その様な宮野や隣町の連中と多部には近づいて欲しくなかった。


そんな淡い思いも見事に裏切られ、好奇心旺盛な多部は宮野の押しに引っ張られる様に隣町のチームの連中とツルみ地元に居ない日も増えてきた。


久しぶり有った光輝はその事を心配し、

「なぁアキオいいのかよ、多部、隣の町の連中に取られてるじゃねえかよ」

と訴えてきた。


「俺に言わないで光輝がどうにかしろよ」


「俺や和人は見事にフラれ組なのに宮野との恋愛に口出せねえだろ」


「やっぱ二人はそういう関係になってんの?」


「知らねえけど、ちょくちょく2人で居るらしいよ」

「宮野の車に多部の荷物は置きっぱらしいし」


2人は一緒にいる時が増えている様だ。

つきあっているのだろうか。。


そんな最中、俺ら地元と宮野率いる隣街との合同走行会を行う事となった。


アキオは免許持ちなので無免で車を保有する奴等の車を運転する事と成り、今回はそれが宮野の車となった。


何度か皆で連んだ事は有るがこの走行会では宮野とアキオの2人で密室空間を過ごす事となる。


後ろにある多部の荷物を片目に多部の事を聞きたいのは山々だがアキオとの宮野はまだそれ程の仲では無いので聞きにくい。


ただその空間で色々と話し合っている内に何故かお互いの感覚に違和感を感じない居心地の良さも感じる事が出来た。


この事をキッカケにアキオは度々宮野に運転を頼まれ、代わりにアキオは宮野の車を自由に使わせて貰える間柄になっていった。


アキオは多部の事で複雑な思いを持っているが宮野には知られない様にも心掛けていた。


しかし、そんな日々はある事件をキッカケに大きく変貌して行く。


再びアキオに大きな試練がのし掛かる事に成って行くのだ。


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