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小悪魔な女神  作者: 神野愛輝生
第二章 小悪魔な翻弄
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第二章 第二話 複雑な想い

多部さんと優香とバッタリ会ったアキオは光輝達に彼女らを紹介する事に。

男達は皆色気だって会話が弾む。

アキオは複雑な想いを抱きながら多部さんの冷めた対応も気になり今すぐにでもこの場を解散したいのだが…

「お久しぶりです、アキオ先輩!」

とハキハキした顔で優香が声をかけて来た。


「久しぶり優香、多部さん」

と少し気不味そうに挨拶をすると女っ気の少ない野郎どもが色めき立つ。


「誰だよアキオ?」

光輝が興奮気味に聞いてくる。

無理もない、女っ気の少ない俺らにとって一般女子よりもレベルの高い若き女性がこちらにニコニコしながら近づいてくるのだから。

俺らがたむろしている時は大概恐る恐る女子達は遠ざかっていくのが常なのに…


「あぁ、えっとー、宮地の元カノの優香とその友達の多部さん」

何故か微妙な紹介をしてしまった。

多部が俺と付き合っていた事を雄一知っている須田は俺の顔を不思議そうに覗き込んできたのでアイコンタクトを送ると軽く頷いて察してくれた様だ。


「あれ?佐伯と多部じゃん、アキオ先輩の事知ってるの?」

と橋田が間に入ってきた。

そうか橋田達と多部さん達は中学の同級生だ。


「あぁ橋田久しぶり、アキオ先輩とは知り合いどころかマブダチですよねー」

橋田を子供扱いする感じで優香は俺にウィンクしてくる。


すると「おいおい!アキオちゃんと俺らに紹介しろよ!!」

光輝は業を煮やす様に即してくる。


そこは流石の優香がさっと前に立ち「桜中53期卒の佐伯優香です」と深々とお辞儀をした。


「優香ちゃんか!」文也が馴れ馴れしく満面の笑みで声を掛けて相槌をする。


優香が多部に目を送ると「優香の友達の多部です」少し素っ気なく、しかも[友達]の部分が若干強目のアクセントになっていたのは気のせいだろうか。。


もしかしたら俺の元カノと言って欲しかったのかな。

と一瞬頭を過ったが、それは無い!

大体、優香に内緒で付き合って、そのまま別れたのだから。

なのに何でそんな不機嫌なんだ。

と勝手にイライラしてきた。


「優香ちゃんは宮地の彼女だったんだ?」

文也は優香が気になるのか興味津々に質問攻めしている。


その隣の多部は俺の顔は一切見ず俺の仲間達を見回している。

すると早瀬が優香に「佐伯達時間有るなら今アキオ先輩の誕生会やってるので付き合ってよ」と言い出した。


慌てて俺は「もう誕生会は終わっただろ!優香達もどこか出掛けるのだろうしそろそろ解散でも良いんじゃ無い」何故か無性にこの場を終わらせたかった。


しかし結果は思いとは逆に進む。

「します!します!元々今日アキオ先輩の誕生日、何してるのかなぁとみゆきと話してたところだから!」


「何だよアキオ、人気モンじゃねえか!」

と光輝は俺の背中をかなり強目に叩いてきた。


「イテッ」

「何すんだよ光輝!」流れが思い通りににならない苛立ちから少し不機嫌に反応すると優香がなだめる様に俺の背中を摩りながら「主役を叩かないで下さい」とホッペを膨らましながら光輝をしかる。


「すまん、すまん!」

光輝は慌てて平謝り。

なんだこれは、地元の誰もがビビるグループの頭が一個下の女の子にデレデレじゃぁ無いか。


「よし!そうと決まっなら飲みに行こうぜ!」

と文也がノリノリで動き出す。


「あっ明日学校もあるので飲みは無しでお願いします!」ときっぱりと優香が意見を言うと、「こらこら!未成年の女性に男共が連なって飲みに引っ張るもんじゃ無いよ」と成也がクールに言う。


何かカッコつけてるな。。

なんだかんだ皆、普段とは違う対応だ。


「じゃあこの間新しく出来たファミレスで誕生会の続きしませんか?」


との優香の提案に一同一致してファミレスに向かった。


俺と距離を保って歩く多部さんには光輝、和人が両サイドを囲み楽しそうにしている。


忘れかけていた多部への思いがヤキモチに刺激されグツグツと沸騰していく様に再び膨らんで行った。


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