物語の背景
本編は、すべて本文に折に触れて紹介される内容です。
ラノベ小説的によくある、バックグラウンドの紹介を読みたい人向けの解説になります。
小説を読みたい方は、読み飛ばしてもまったく差し支えありません。
グラン・シァトゥル王国がある異世界の不思議(プロローグあたりにだいたい出てきます)
グラン・シァトゥル王国はハルン大陸の北部に位置する歴史ある国で、大陸側の周囲ほとんどを高い山脈や草原エリアなどに囲まれて隔絶されていた。北側の海向こうには、帝国が支配する極北の陸地が広がる。強大な軍事力を持つ帝国ながら大海に阻まれ、その手前に帝国から平和的に独立した民主的な共和国があり、外交上の脅威とは考えられていない。
草原エリアと呼ばれる年中餌の豊かな、地上の一等地があるが、知生体以外の哺乳類のほとんどは怪獣レベルに巨大なためヒト種からモンスターと呼ばれ、そこに棲み分けている。ちなみにそれらは大洋にもいるため、海向こうの国に覇権を求めようとする国はない。
わずかに地球上でいう超小型哺乳類のマメジカや小型ネズミ、小型コウモリが、牛馬に代わって人間などの労働力として利用されており、小動物といえば爬虫類を指すことになる。タンパク源は専ら魚と鳥。特に王国では哺乳類を食べない。
一方知生体は人間以外に獣人や巨人、エルフなど亞人がいる世界(本来王国は人間だけの国)。他にも魔法使い、プレミアドワーフ、生命ではないが聖霊や魔族などの霊魂類がいる。
大地創生の折には地上の意思と言える神龍が地上を支配していたといわれている。現在龍の種は絶滅したと言われているが、その龍と人間の混血である龍人によって広められた、唯一の太陽神をあがめる教えが宗教の根幹を成し、国境を越えて教会組織がある。魔法使いなど亜人種以外は、ヒト種の有史以前からこの世界に棲む。特に魔法使いは魔法技術に根差した文明を発達させてきたので、ヒト種はあまり技術革新に意欲的ではない。
温泉源のような、生命エネルギー源龍脈が全世界、地下の至る所に走っており、所々で湧き出している。人間はこれを聖脈と呼び、そのエネルギーをもとに豊かな大地を築いて荒地は耕地に開墾されて国家を築き、簡単な傷や病をいやす効果も備えていた。
ある程度の人間が養える耕地面積を確保できるほど、優良なエネルギーを備える聖脈には、それをメンテナンスできる力を持つ者が王として選ばれ、国組織をなす。一定規模の聖脈には脈溜まりが作られ、これに依存した聖霊ノームが隠れ住んで王家に祝福を垂れた。
地上世界は天動説が真実であり、地上の周りをすべての天体が回っているので、地上は平面であり地平線、水平線がない。数百年前から徐々に一年が長くなったため、もともと360日だった一年が487日になっている。そのため産まれて三年たつと地球上の4歳にあたる。
聖脈とはつながっていないものの、魔族の巣くう同様のエネルギー源があり魔脈と呼ばれた。特定の魔脈には百年に一度魔王がよみがえる。
魔王は放っておくと体内にも備える脈の容量を増して眷属を生み出し、あるいははぐれ魔族を呼び寄せて仲間にしたり、強力な悪魔を召喚して配下にしたりといったことで力を蓄えていくのだ。ただし基本的には人間に大きな害を及ぼすことはない。下僕などに使う労働力などとして人間を連れ去ることはあるが、いわば山賊程度の被害でしかないので、野盗や山賊を狩る方が先決問題な程度と考えられる。
しかし、魔のものの増殖を教会組織は看過できないため、魔脈がある国などに働きかけ、力を蓄える前にせん滅するのが一般的。各国組織でも自力で、規模の小さいうちに、魔族が忌避効果を受ける聖水や、聖剣などによって退治することも多い。教会からの軍や勇者の派遣を受けると、謝金や軍の糧食で資産が流出し、国力が落ちるからだ。
しかし、国内の魔脈に蘇って二十数年放置しておいた魔王によって万を超える魔王軍が組織され、自分たちに対する忌避の存在であるはずの、聖泉をも奪取するため派兵してきた。
ヒト種国家や教会組織の根幹をなす聖泉が狙われたことは前代未聞であり、全力を持って魔王はせん滅される。
こうして王国は勝利したが悲惨な犠牲があり、その凱旋の道中一つの卵から生命が生まれた。そしてこの物語は動き始める。




