一人と一匹と脱出と
進学先が決まり、小説活動に力を入れ始めます
あれからどのくらいの月日がたったのだろうか。
一か月、半年、もしかしたら一年だろうか……。
とにかく数える余裕のないくらい大変な日々が続いた。
ある日には巨大な蟻が群れを成して進行していたり
またある日にはあの熊がはちみつを求めてなのか、蜂の巣を取りに行ったがその蜂も巨大化していて圧倒的な数であの熊公を追い払っていたり
その蜂が花粉を採取しようとした花に喰われてしまったりと
とにかく普通ではありえないようなことが
ここでは毎日起こっていた。
そんな中、この魔境となってしまったこの山で、僕はひっそりと息を殺して隠れながら生き延び続けていた。
とある一匹の犬とともに。
もしかしたら狼かもしれないが、極限状態の僕にとっては些細なことでしかなかった。
この犬___クロはこの山の変化についていけなかった様子で巨大蟻に襲われそうになっていた。
僕は関わらないように隠れていたのだがなぜか見捨てることができず、危険を顧みず助けに行ってしまった。
結果として何岡二人とも生き延びることができ、それからクロは僕と行動を共にしていた。
それから僕らは、生き延びるためにウサギを___なんか角が生えたウサギを狩り、角を武器に狩っていった。
当然変化についていけなかった僕らが角ウサギとの二対一のタイマンでさえ敵うはずがなく、
僕らのとった行動は角ウサギが寝た狩ることで傷を負うことなく肉を得ていた。
その生活を続けてたためか、周囲から発する敵意や殺気を感じることができ、自分たちの気配を消すことができるようになっていた。
それでも、虫の群れや観光客を襲った熊公には敵う気がせず、むしろあの時とっていた行動が正しかったと思ってしまっていた。
そんな生活を続けてきた僕らだが、遂にとある行動に移ろうとした。
「この地獄の山から下りよう!」
「――Gau!」
そう今までは、あの熊公が徘徊していたりして山のふもと付近に行くことができなかった。
しかし、今その熊ははちみつ求め、山の中腹にいる。
加えて僕らは気配を断って動けるようになり虫たちに気づかれることなく、行動することができるようになった。
そういうことで、僕らはこの地獄の山から脱出することに決めた。
しかし世の中そんなうまく回ってはくれず、
___Gurugaaaaaaaaaaaaaaa
「ちぃっ!もう来やがった! クロもうすこしだ!死ぬ気で走れ!」
「____Gau!」
紫苑が想定しているよりも早くに帰ってきた熊公が二人を見つけてしまい、現在追われている最中となった。
だがそれもあと少し、なぜなら
「よっしゃ、もう少しだ!ここさえ越えればあいつは追ってこないはずだ!」
そうあの熊は山のふもとより先にはいかないのだ。
縄張り意識なのかどうかはよくわかってはいないが
紫苑にとっては熊がそこから先追ってこないことが何よりの希望なのである。
そして、あと10m
5m
1m
そして…
___Guraaaaaaaaa!
熊が転がり始めた。
まるで『お前らは逃がさない』
と言っているかのように、じわじわと追い詰められ……
僕らの前に立ちふさがれた。
__終わった。僕はあと少しで自由を得ることができた。
しかしその望みはついえた。
他ならぬあの熊公にだ。
「悔しいなぁ、死にたくねえよ」
クロも怯えている
それもそうだ、こいつはこの山の頂点のようなもの。
こいつさえいなければ、僕はここで終わってしまうと地に伏せ、終わりを__この捕食者に喰われるのを待っていた。
_____その時
「ファイヤボール」
そんなつぶやきが聞こえた直後……
____Graaa…aaaa…
あの熊が燃えた
灼熱の炎が熊公を包み、やがて消えた。
「助かったのか……?」
目の前に残ったのは燃えた死骸であった。
ここにきて頂点にいたやつが消えってしまった。
紫苑は驚いていたが、助かったという喜びで緊張の糸が緩み
そこで意識を手放した。
「まさか、ここにジャイアントベアーがいるなんてな、そっちはどうだ?」
「特には__あっ、お兄様こちらに倒れている方が!」
「何っ!?まだ意識はあるな、この狼は……とりあえず連れて行くぞ」
「ええ、帰りましょう。
愛知領へ」
謎の力により紫苑の危機は去った。
しかし、この世界はどのような変化が起きてしまったのか。
彼は知ることになる
余談ですがパソコンを買いました。
タイピングに時間がかかるので投稿が遅いと思いますが
1日1話更新できるように頑張りたいです。
ほかに2作品あるのでそちらの更新も進めますので
ぜひ見てください!!