表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【化け物バックパッカー旧作版】  作者: オロボ46
第一部「日本編」心の旅
4/24

第四話「少女と人形店のぬいぐるみ」

こんにちは、オロボ46です。

今回は「きこ市」という町が舞台となります。

それでは、どうぞ。

線路を走る一台の電車。


その電車の車両の中で、人々はある二人に注目せずにはいられなかった。


その二人と言うのが

坂崎という老人と、怪しげなローブを着た化け物の少女のことを指しているのは

皆さんお察しのことであろう。


「ひそひそ(なあに?あのおじいさん)」


前の席の女子高生たちがひそひそ話している。


「ひそひそ(隣の人、怪しいわあ)」


「ひそひそ(新手の宗教かしら?)」


「ひそひそ(まさか、最近流行っている化け物病とかだったりして

・・・・・・なーんてね)」


正解を言っている者もいたりした。


(ナンカ恥ズカシイ・・・・・・)


化け物の少女は顔を赤くした。


坂崎は少しニヤニヤした。


「ひそひそ(おじいさん、ニヤついたわよ!?)」


「ひそひそ(わかったわ。あれはきっとおじいさんの趣味よ)」


「ひそひそ(あの人もかわいそうに、つらいでしょうねえ・・・・・・)」




化け物の少女と坂崎は、「きこ市」についた。


駅のホームで坂崎は少女に話しかける。


「ふう、お腹減ったのう。

そういえば、お嬢さんは何も食べなくても大丈夫だったんかのう?」


「ウン、ナゼカオ腹ガ減ラナクテ・・・・・・

無理ヤリ食ベタコト会ッタケド・・・・・・吐イチャッタ・・・・・・」


「そうか、それなら・・・・・・」


坂崎は背中に背負っている黄色のバックパックから地図を取り出した。


「これ、見えるかのう?」


「ウン・・・・・・普通ニ見エルケド・・・・・・」


「ほう・・・・・・その触覚で見るんかのう?」


「多分ソウダト思ウケド・・・・・・

コノフードノ裏側カラモ周リガ見エチャウカラ、私モヨクワカラナイノ。」


「そうか。それじゃあわしは今から昼飯を食べてくるから、

どっか観光でもして来るといい。

時計の読み方はわかるじゃろ?

この時計を渡しておくから、1時間後にこの駅の前であおう。」


坂崎は化け物の少女に地図と腕時計を渡し、去って行った。


少女は地図を確認しながら、坂崎が歩いて行った方角と反対方向に進んでいった。


少女はとある「魚を盗んだらいつの間にか人助けをしていた猫」とは違い、

方向音痴ではなかった。


(ソウイエバ、アノ猫ケッキョク会エナカッタケド

今モ『ウア市』デ迷子ニナッテイルノカナ?)


少女はそんなことを思いながら歩いていくのだった。




少女が町を歩いていると、ある人形店の前で立ち止まった。


(・・・・・・!!!)


ガラスケースに入った一つぬいぐるみ。


ウサギのような耳の生えた猫のような生き物の

そのキュートな姿に化け物の少女は完全に心を奪われてしまった。


(カ・・・・・・カワイイ・・・・・・)


少女はガラスの前に釘つけになった。

(猫ノ瞳トウサギノ長イ耳・・・・・・

2ツノカワイサヲ1ツニシタ相性ノイイバランス・・・・・・

ソシテモフモフシタイコノ毛並ミ・・・・・・ハッ!!)


少女はガラスの向こう側で女性がこちらを見ているのに気がついた。


少女はそこから離れようと走り出した。




「お、今回は迷子にならなかったのう。

わしは[化け物ラーメン]という名前だけで展開が詠める店で食べたのだが、

普通のラーメン屋じゃったわい。わっはっはっは!」


駅の前で少女と合流した坂崎は笑っていた。


化け物の少女はうつむいたままだった。


「・・・・・・何かあったのかね?」


「エ?ア、ウン・・・・・・実ハ・・・・・・」


隠しても心を詠む坂崎に対しては無意味であろう。


少女は人形店のことを話した。


「そうか・・・・・・見られたのかもしれないのか・・・・・・

ところで、その店はどこじゃ?」


「・・・・・・コノアタリ。」


少女は地図を出して人形店があった場所を指した。


「よし、ひとつその人形がどんなに可愛いのか見てみるかのう。」


少女は坂崎が何をしようとするのかがわからなかった。




坂崎は人形店の中に入った。


「・・・・・・いらっしゃいませ。」


店員と思われる女性がやる気のない声を出した。


坂崎は店内で、少女が見たと思われるぬいぐるみを探した。


ちなみに、化け物の少女は店の外で待っていた。


(見当たらないのう・・・・・・)


坂崎は店員に尋ねようとしたが、その店員は姿を消していた。


坂崎は店を見渡すと、奥のドアが開いているのに気がついた。


恐らく、アトリエに続いているだろう。


(奥にいるんじゃろうか?ちょっと呼びに行くとするかのう)


坂崎は見落としてしまっていた。


その扉には、メモ書きが張ってあった。


[ここから先は立ち入り禁止です。

絶対に入らないでください。

もし入ったなら・・・・・・もうしりません。]


こんな内容が書かれていた・・・・・・




外で待っていた化け物の少女は上の窓から覗く視線に気がついた。


窓から覗いているのは、優しそうな顔をした青年だった。


その青年は化け物の少女に向けて手招きをしていた。


メモの注意書に気づかず入っていった坂崎と

謎の青年に手招きされた化け物の少女。


きこ市の人形店のお話はもう少しだけ続く。

いかがでしたか?

きこ市は次で最後になるので、次も見てください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ