河城屋敷
*この作品はフィクションです。実在の個人、団体、事件とは一切関わりありません。またこの作品は中高生が妄想を書きなぐった程度を出ていないと思われます。
ご注意くだ
河城屋敷、翠山市街の中にある山の森と草原の境目に建っているこの洋館の名前は洋館を建てた河城義昭の名前から着ている。彼は若い頃株で一財産を築いた地元の名刺で人望もあったが、晩年精神を患ってしまったらしく支離滅裂なことを呟き様々な恐怖症や強迫性障害を抱えていたらしい。
そして、彼が死去してからこの館は彼の娘に引き継がれることになるのだが、彼女はすぐにこの家を売り払ってしまったらしい。その時彼女が漏らした独りごとが
「恐怖は人を見つける。恐怖を信じないことは何の救いにもなり得ない。ああ父さん、父さん。」
である。……と言うのがこの河城屋敷にまつわる話の一部ではあるが、彼女の次の持ち主が特に問題ないと明かしたため特に曰く付きの物件というわけではない。ちなみに今の持ち主は北海道旅行に行ったきり行方不明である。幽霊を見たなどの証言が多く寄せられるようになったのはこの頃からである。
そんな屋敷に新島水葉、伊東結衣の両名はやって来ていた。
「ねえ本当にここに入るの?蔦とかがものすごく絡んでいるんだけど。床抜けたりしない?」
「いいじゃない雰囲気が出て。ほらそんなビクビクしてないで行くわよ!」
「あっ!ちょっと待ってよ結衣ちゃん!」
伊東結衣は物怖じせずその溢れる好奇心で鍵の壊された扉を開けて中に入って行く、それについて若干遠慮がちに入って行った。
不法侵入である。
河城屋敷のエントランスホールは3階まで吹き抜けになっており、入って右の階段が2階まで通じおり、左の螺旋階段が3階まで通じていた。
「うわー、やっぱ金持ちはやる事が違うわ。ねえ水葉見て見て!ほらあのシャンデリア、すごくない?」
水葉が結衣の言葉に従って上を見上げると豪華な装飾が施された大きなシャンデリアが見て取れた。
「ほえー、本当だ。何円くらいするのかな?」
「一千万くらいするんじゃないの?はっ!こんなことしている場合じゃなかった。私たちの目的はこの館の秘密を暴くこと。」
「え?そんな目的ってあったっけ?」
「今作ったのよ。」
「い、今って少し無計画なんじゃないかな?」
水葉は呆れながらも結衣がどのようにして秘密を探ろうとしているのかを聞こうと思い質問する。
「どうするかですって?そんなの簡単よ。こういう所は地下に秘密があるって相場が決まっているのよ。そして……」
「そして?」
結衣はそのまましばらく黙ったまま服の内ポケットの中からメモ帳を取り出す。
「ジャーン!なんと私、この家の秘密の地下室の存在について聞いちゃったのよ!えっとね……あ、あったあった。一階にある遊戯室のビリヤード台の下に地下室への入り口がある。」
「それ本当かな?」
「それは今から確かめるのよ。さあ善は急げ、早く行くよ!」
遊戯室に到着した2人は早速ビリヤード台の下を調べ始めた。しかし暗いせいもあってか中々何も見つける事ができなかった。
「あーもう、なんで見つからないのよ!」
「結衣ちゃん落ち着いて落ち着いて。」
中々状況が進展せずイラつき出した結衣をなだめつつ水葉は床に手を這わせて何かないか探る。
「これくらいでイラついてどうするの?探検家の人は、ん?」
「どうしたの?」
「ここに空洞がある。」
「えっ!ちょっと見せて!」
「い、いいけど。」
突然の結衣の勢いに押された水葉は若干引き気味でその場を結衣にゆずった。結衣は空洞があると言われた位置を探り空洞の存在を認識した。
「ほ、本当だ!それに、ここのくぼみに爪をかけたら……やった外れた!」
「つまみかな?」
結衣がくぼみに爪をかけて板を外すとそこには文庫本三冊が入る隙間とつまみがあった。それを発見した結衣はすぐさまつまみを回した。
するとカチッという音とともにかすかに駆動音が聞こえビリヤード台の下の床の一部が持ち上がり始めた。
「水葉、台をどかすよ!」
「分かったよ。」
2人はすぐに協力してビリヤード台をその場から押して移動させた。ビリヤード台はかなりの重量だったから一度滑り出したらよく滑り始めた。
一方、床はその間も上昇を続けある程度まだ行ったところで床板が開き地下へのハシゴが現れた。
「ヒュー、なんか秘密基地みたいね。さ」「お先に。」
結衣はしゃべっている間に水葉に先を越された。
「あっ!ちょっとそこは私が先に行くのがお約束でしょ!」
地下室は長年使われていない倉庫といった様子で中に保存されてた食物などはすでに匂いさえ発しなくなっていた。
「なによ、ただの倉庫じゃない。」
期待はずれの結果に結衣は再び不機嫌になり。愚痴を漏らし始める。
「おかしい。」
「何がおかしいのよ?」
「本当にここがただの倉庫ならあんな分かりづらくて手の込んだ仕掛けをつけるのかな?しかもあれがあった場所を考えればなおさらだよ。」
「……確かにそうね。でもそうだとしてどうするの?」
「こうするのよ。」
水葉はそういい人差し指を一度口に含み地下室の外気にかざす。
「ずいぶん古典的な手法ね。」
「そうだね。ん?風だ!」
「ほ、本当!」
水葉は指に伝わってくる風の元を探し始めてハシゴが設置されている壁に行き当たる。ハシゴにスマートフォンのライトを当てると取り外せるようになっている事が判明し、水葉は梯子を外し、風吹いてくる亀裂に手を当てた。
「結衣ちゃんこの壁動くよ!」
「でかした!私が押すわよ!いいわね!」
「どうぞどうぞ。」
結衣が壁を押すとその面の中心からハシゴがあった位置に三分の二に内分する位置を起点に回転し、下に向かって傾斜したレンガの通路が現れた。
「さあ行くわよ!」
「なんだか私もワクワクしてきたよ。」
2人がしばらく通路を進むと幾多もの松明で照らされた穹窿天井が特徴的な部屋に出た。その部屋には幾多もの出入り口がありその何個かは換気用の穴であるようだった。さらに部屋の中心部には祭壇らしきものがりその脇にはさらに地下へと続く階段が確認できる。
「ねえ水葉ここって松明に火がついてるよね?」
「ついてるね。」
「もしかして今も誰かがいる可能性があるって事だよね?」
「そうだね。」
「地下にミイラがあるとかじゃなかったんだ。どうしよう。」
「死ねばいいと思いますよ。」
突然背後から響く男性の声に2人は驚き振り返るとそこには牧師のような服装をしたタレ目の男性とその両脇に立つ拳銃を持ちローブを着た2人の男が立っていた。
「だ、誰よあなたたち!」
結衣が声を張り上げる。それに対して牧師ような服装をした男性はうっとおしそうな表情をした後、口を開く。
「私の名前は谷田三郎、うるさいネズミに侵入されて不機嫌な家主とでもいっておきましょうか。ああ、もちろんネズミというのはあなた方のことですよ。」
「ねえ、私たちを返す気はないの?」
「ありませんね。ただ、タダで殺すのはもったいない。というわけであなた方にはこいつとやりあってもらいます。こい空鬼!」
谷田が叫び指を鳴らすと水葉と結衣の目の前の空間が点滅し、ソレは現れた。
ソレは猿と昆虫を掛け合わせたような姿をしており皮膚だらしなく垂れ下がっていて目があるだろうはずの場所はぽっかりと穴があるだけという目を背けたくなるような姿をしていた。さらにその生物は両腕に大きく鋭い鉤爪、これがこのソレの凶悪性をより一層高めていた。ソレは頭を左右に揺らしながら2人に近づく。
「(このまま結衣ちゃんが……しかない。)チェバーナック!変身よ!」
『了解だよ水葉。』
「な、なんだあれは!?」
水葉の呼び声によって彼女の背負っていたリュックサックの中から現れたチェバーナックに牧師のような男性の困惑して命令を出す事ができなかったことが水葉に時間を与えることにつながった。
「魔法少女水葉☆華麗に参上!私がいる限り悪党の好きにはさせないわ!」
「ッ……おい空鬼!そこのアニメからで出来たようなふざけた格好をした女を殺せ!今すぐだ!」
谷田は水葉の姿と口上に怒りを覚え空鬼に彼女を即刻始末するよう命じる。空鬼はそれに答えるように今までより速い速度で水葉に接近し始める。
一方その頃結衣は
「あ、え、ああ。……うぅ。」
恐怖によってまともな思考をままならない状態であった。そんな彼女を見た谷田は失望したような表情をして彼女に手を向け呪文らしき文句を唱え始める。
そして詠唱が終わった時彼の手のひらから高い熱量を持った魔力の塊と言うべきものが放たれる。
「結衣ちゃん逃げて!」
そんな水葉の言葉も彼女の耳には届いていなかった。しかし彼女が死ぬのは今日ではなかった!
突然換気用と思われる穴から何枚もの紙が飛び出て来て伊東 結衣の周りを半球状に取り囲んだ。飛翔して来た魔力の塊はそれにぶつかった瞬間、四散した上で打ち消された。
「ッ!何だと!」
穴から靴の音と共に声が聞こえてくる。
「全く。この館に忍び込もうとする少女たちとはあなたの事でしたか。」
その声は水葉の知っているものであった。そしてその人物は穴の中の闇からその大きな身体を現しす。
「聖川さん!」
「水葉さん。あなたには後でたっぷりと話す事があります。ですが今は目の前の相手に集中してください。残りの相手は私がしますので。」
「は、はい。」
正樹は3人組の方に向き直りこう告げた。
「えー、星の智慧派の方々あなた方のしている事はすでに明らかになっています。今のうちに投稿した方が罪が軽くなりますよ。世俗的にも宗教的にもね。」
谷田はそれに対して唾を吐き捨てる事で答えた。そもそもその程度の言葉で説得されるような人間はまず、大きな問題になるような事には手を染めない。
「はあ〜、あなた何をおっしゃってやがるんですか?自分たちの宗派が1番偉いとでも?それとも、もしかして自分は絶対正義だと思ってやがるのかよ。」
「いえ、一般常識による判断を伝えただけですよ。」
「そうですか。それは有難くないから死ねよ!蜂の巣になりやがれ!」
そして谷田が腕を振り下ろすとともに両サイドに控えていた2人が自動拳銃を取り出し正樹に向けて発砲する。
だが……その銃弾は彼に届くことはなかった。彼へと向かっていった全ての銃弾は彼が両手に持っているショートソードの剣閃が走るたびに弾かれ、逸らされていった。
「こ、こいつ化け物かよ!銃弾を全部切り落としやがった!」
「い、いや違う。切り落としたんじゃない。弾いたんだ!しかも後ろのガキどもに当たらないように!無茶苦茶すぎる!」
「馬鹿野郎!隙を見せるんじゃない!」
「ああ、その通りだ。」
谷田が次の瞬間目にしたのは自分の顔に迫り来る拳だった。
「グギャ!」
正樹の拳を受けた谷田はまともな対応も出来ず回転するように床に叩きつけられて気絶した。
「グッエッ!」「なっ!カハァッ……。」
そこまでいってようやく我に返った2人組のローブが射撃を再開しようとするが、それより早く正樹から向かって右側の男が鳩尾への蹴りによって気絶し、もう1人はその男を盾にして接近された事により対応が僅かに遅れ頭部を剣の腹で強打され意識を刈り取られた。
「こちらは片付きましたか。あちらももうそろそろ終わりそうですね。」
正樹が見つめる先には空鬼を翻弄しながら次々と斬撃を繰り出す水葉の姿があった。
『聖川神父、遺跡内の教団員を全員捕縛しました。』
「お疲れ様です。こちらも今終わったところです。」
インカムを通して通信相手にそう伝える正樹の目には大鎌から放たれた赤い斬撃で真っ二つにされる空鬼の姿があった。
「この前は思考が現場に追いつかずそのままにしてしまいましたが、あれをそのままにして置くわけには行きませんね。さて、どうしたものか。」
ちなみにこの後は警察の対応場所が処理に当たったのだがその時、少女が1人みっちり油を絞られたのは言うまでもない。(もう1人はそれどころの問題ではないため病院に送られた。)付け足すと1人の神父も少女に戦闘させたとして絞られたそうな。




