黄昏より暁
今回はいつもより短いです。
*この作品はフィクションです。実在の個人、団体、事件とは一切関わりありません。またこの作品は中高生が妄想を書きなぐった程度を出ていないと思われます。
ご注意ください
地下駐車場の邂逅から丸3日新島水葉は不慣れな高級レストランに来ていた。そして彼女の手には一枚の手紙と招待状が握られていた。
「うぅ、こんな服でよかったのかな。入れてもらえなかったりしないかな。」
『大丈夫だよ水葉。いざとなったら僕もいるから。』
「ありがとうチェバーナック。行くよ。」
店内の天井は高く天窓から入った光が店内を照らしていた。また店内の床や内壁もコンクリートではなく大理石や漆喰などが使用され、テーブルや椅子も高価な木材が使用され適度に装飾が施されていた。
「うわー、すごい。」
水葉は感嘆の声をあげて周りを回してとある事に気がついた。
「あれ、人がいない?もうお昼はずなのに?」
そう、店内には人っ子一人見当たらなかったのだ。そのせいで店内は不気味さを感じさせるほど静まり返っていた。
「結構ギリギリだね。まあ一応時間を守っているからいいか。」
「ひゃあ!み、三坂さん!脅かさないでくださいよ。」
水葉はそういっていつの間にか背後に立ち耳元で話しかけて来た三坂を非難する。
「悪かったね。ささ、もうすぐ料理が出てくるから席について。」
しかし、三坂はその後しばらく黙ったままであり、彼女が再び口を開いたのはフルコースにおいて魚料理が出されたからである。
「君の扱いが決まったよ。」
「え?それはこの前決まったんじゃ無いんですか?」
「あれは仮処分に過ぎないよ。まあ、判断を保留しただけだからね。」
「あ、あの私はどうなるんですか?」
水葉は不安に襲われた。今までは目の前の女性が所属する組織の存在を知らずにかなりドンパチしていたがもしかしたらそれを咎められるかもしれない。これからの動きに制約をつけられるかもしれない。
彼女はそんな不安に襲われた。しかしそれはすぐに杞憂であったと判明する。
「心配しなくていいよ。君の処遇だけど特に行動を制限することはないから。ただ、余りにも反社会的な行動を取った時はそれ相応の対応をさせて貰うけどね。」
「ほ、本当ですか!」
「まあね。さあこんな話は終わりにしてさっさとご飯食べちゃおっか、冷えるし。」
夕陽に照らされた帰り道で水葉はチェバーナックに話しかける。
「ねえチェバーナック、三坂さんって結構いい人なんじゃないかな。あんなにご馳走してくれたんだし。」
『そうかもしれないね。でも水葉気を緩めちゃダメだよ。』
「へへっ、分かってまーす。」
『やれやれだね。』
「雅様よろしかったのですか?」
初老の男性がまさかに尋ねる。
「別に構わないよ。重要な事は伝えなかったからね。それに……彼女自身の事なら、あの程度でうとでもなる。むしろ問題なのは、」
「フィリカプオンですね。」
「そうだよ、それの事だよ、そちらの方が大問題だ。まあ、何もないのを祈るだけだよ。尾形さん今日はもう休んでいいよ。」
「はっ。かしこまりました。」
初老の男がその場を離れた後三坂はポツリと呟く。
「夕焼けは、黄昏は嫌いだ。願わくばこの願いが暁であらんことを。」




