話し合い
この作品を見ている物好きの方々ありがとうございます。
*この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件とは一切関わりありません。またこの作品は中高生が妄想を書きなぐった程度を出ていないと思われます。
ご注意ください
とある地方都市の地下駐車場に1組の男女と1人の少女と猫とウサギを掛け合わせたようなぬいぐるみの様な生き物が立っていた。その近くには真っ二つになった、人と虫と海洋生物を組み合わせたような姿をした生物の死体が転がっており、場に漂うただならぬ雰囲気をより高めていた。
「えーと、水葉さんでしたか。いくらか説明をしていただきたいのですが。」
「私からもお願いするよ。」
「え、あ、あの、これはですねえっと……。」
男女の質問に少女は言葉がつっかえつっかえになりなかなか答えられない。普通に見れば身長190㎝を超える男性に怯えていると判断されるだろう。しかし彼女は違った。彼女は目の前の大男に対するひるみはなかった。
それはいくらかの理由があるのだが、最も大きな理由は彼女が魔法少女であることだろう。
しかしいくら、魔法少女とは言え恥ずかしいことはある。
『待って水葉。僕が説明するよ。』
そんな少女の気持ちに気づいたか、はたまた変な風に話されると困るからか?チェバーナックが代わりに説明役を買って出た。
「……その小さいのはロボットかな?それとも……。」
1組の男女の女性の方、三坂はあまりにもファンシーなチェバーナック見た目にそれがロボットではないかと疑問を抱いた。
『待って!僕はチェバーナック。決して怪しいものじゃないよ。それとロボットでもないよ。』
「そうですか。ではチェバーナックさん、現状について説明をお願いしたいのですがよろしいですか?……と言いたいところですが私達も仕事があるので、失礼させてもらいます。」
1組の男女のもう片方、正樹の話を聞いた少女 水葉はその言葉に驚愕した。何故なら……
「えっ!ちょっと、このまま仕事に行くんですか?」
「そうですが何か?」
「だって!さっき常識では考えられない生物に襲われたじゃないですか!普通の人はこんな目にあったら!」
「まあ、上に報告くらいはしますよ。」
「そんなもの信じてもらえるわけ」
そこで水葉の言葉を遮って正樹は発言する。自分たちの職場の当たり前を。
「それが信じてもらえるんです。それとも貴方を大鎌を振り回した危険人物として警察にでも突き出せばいいんですか?」
「そ、それは、その。」
『待ってくれ!僕たちのことは君たちの仕事が終わってから話そう。だから、それまでで良いから。上に報告するのはしばらく待ってくれないかな?』
正樹はそれを聞きしばらく考えて、三坂の意見を訪ねる。
「どうします三坂さん?彼らの報告は後にしますか?」
「もう報告したよ。」
「え?」『え?』「しちゃいましたか。」
三坂の言葉に1人と1匹?が固まり、正樹は特にかにすることなくそういった。
しばらくして1人と1匹は正気に戻り、叫んだ。
「ちょちょちょ、どうするのチェバーナック!?」
『僕に言われても、そ、そうだ、普通の人間は魔法なんて信じっこないから大丈夫だよ。』
「そうよね、魔法少女なんて誰も信じないものね!」
自分から秘密を漏らす1人と1匹に三坂は呆れため息をつき、正樹へと話しかける。
「こういうのを語るに落ちると言うのかな?」
「そうじゃないですか。ところで。」
「何?」
「私への態度が軟化しましたね。」
それを聞いた三坂は一瞬キョトンとしたが、
「正樹くんは昔と変わらないって分かったからね。」
「そうですか。それで上の返答はどうでしたか?」
「今回の仕事には別の人員を向かわせるから、この件に対処しろだって。正樹くんの所も同様だよ。」
「分かりました。さてと。」
そこで正樹は未だ半ばパニックに陥っている1人と1匹を向き直り、声をかける。と言うより、叫んだ。
「注目!」
「ひゃい!」
『うわっ!』
「意識はこちらに向いた様ですね。先ほど上司から仕事は他の人員に任せるから、君たちとの対話に力を注いでくれという命令を受けました。」
『それじゃあ!』
チェバーナックの瞳には先程より若干光が宿っている様に3人には見えた。
「貴方の説明を聞きましょうか。まあこんなところで話すのもなんですし。そうですね、近くにカラオケがありますがそこの一室を借りましょうか。」
薄暗いカラオケの個室に3人と1匹は移り、テーブルを挟んで向かい合っていた。
「それでは聞かせてもらいましょうか、あなた方が何者なのかを。」
『分かったよ。じゃあまず自己紹介から行くね。僕の名前はチェバーナック。魔法の国フィリカプオンのプリンスさ。」
その問いに正樹と三坂はしばらく固まった。というより固まるなという方が無理だろう。これは2人の常識からもかけ離れていたのだから。
「真面目に答えていただきたいのですが。」
『僕は真面目に答えているよ。』
「そう。ならその魔法の国については保留にして、魔法少女の事やあそこの死体の事について教えてもらえるかな?」
『分かったよ。まず魔法少女っていうのはね魔法の国の住人と契約した少女の事だよ。基本的に彼女たちだけがドゥンケルハイトに対抗できるんだ。ちなみにそこの死体はドゥンケルハイト・ベヴォーナーと言われる存在だよ。』
ドゥンケルハイト・ベヴォーナーという言葉を聞いた正樹はしばらく考え込みある事に思い当たった。
「ドゥンケルハイト・ベヴォーナー。……Dunkelheit・Bewohner、闇の住人、ドイツ語ですか。あなたは先程、基本的に魔法少女にしか倒せないと言いましたが、どういう事ですか?」
『それはね彼らは魔力を持った攻撃じゃないと倒せないんだ。だから魔法少女か、魔力を持った武器の攻撃じゃないといけないんだ。』
「そうですか。ですがそれなら魔術師の人間ならば別に問題ないと思うのですが。」
正樹は自分の知識から疑問に思ったことをチェバーナックに対して質問する。それに対してチェバーナックは
『象牙の塔の住人である彼らになまともな戦闘はこなせないよ。』「ククク。」
チェバーナックのその答えに笑い声が聞こえてくる。その声の源は三坂であった。彼女は口を押さえて笑いを押し殺していた。
『何がおかしいんだい?』
チェバーナックが若干の苛立ちをあらわにして三坂に問うた。その問いに対して三坂はひとしきり声を出して笑った後、腹部を押さえながら答えた。
「象牙の塔の住人?君は何も知らないんだね。確かに君が言った通りの魔術師もいるさ。だけどね、それに当てはまらない連中も相当数いるんだよ。」
『へえ?そうかい。でもさっきのやつは正直言って連中の中ではかなり弱い方だよ。』
「まあ、それはそうだろうね。動きも全然ダメだったし、あの程度の魔力の攻撃で真っ二つにされていたからね。」
『分かったよ。そういう事にしておこう。』
「あのそろそろ次の質問をしていいですか?」
『ああ、ごめんね。どんどん質問してくれていいよ。』
「ドゥンケルハイトと呼ばれる存在について教えてください。」
『彼らは人間の負の心と魔法の国から漏れ出した力が合わさって生まれるんだ。そして彼らは人間や魔法の国の住人を襲うんだ。』
「それは世界のどこにでも存在するんですか?」
『……今の所、彼らはこの街でしか発生にしてないよ。』
「分かりました。彼らは普段どこに隠れているんですか?」
『普段彼らは自らが作り出した亜空間に潜んでいるんだ。だからこちらからはなかなか手が出せない。』
(あれ?もしかして、私空気?)
その後3人と1匹はお互いの情報を問題ないと考える範囲で互いに交換しあって、それぞれ帰途についた。
夕暮れの中一台のワゴン車がバイパス道路を走っていた。乗車しているのは正樹と三坂だ。助手的の三坂は運転中の正樹に話しかける。
「あれ、たぶん霊力でも傷つけることができるよ。でも物理攻撃は効かないっていうのは本当かもね。」
「やはり試していたんですね。まあ、彼とて全てを知っているわけではないでしょうからね。」
「君は連中の言葉を信じるの?」
「今現在はなんとも言えませんね。判断材料が少なすぎますからね。それと私たちだってマイナーな怪奇現象などを全て把握しているわけではありませんからね。」
「マイナーではない物もね。」
三坂は正樹の言葉を捕捉する。サングラスを外したことで彼女のヘーゼルの瞳には夕焼けに照らされた街が写っていた。




