友達以上恋人未満
「紗雪ー、起きなさい!」
今日もいつも通りの朝が来た。
制服に着替えて1階へ降りると焼けて少したつ、微妙に温かく、微妙に堅くなった食パンがお皿に乗せられている。
昨日は、訳のわからないことがあったな。
突然衝撃的な告白とプロポーズはされるし、あれはなんだったんだろう。
寝起きの頭で一生懸命考えるものの、思考は働かない。
まぁ、いいや。後で考えよう。と私はコップに烏龍茶をそそぎゴクゴクと喉へ流し込む。烏龍茶最高。
「そういえば姉ちゃんさぁ、昨日イケメンと一緒にいたよね?あれ誰?」
昨日と同様にまた噴き出しそうになったのを堪え、喉へと送り込んだ。
牛乳をコップに並々とそそぐ我が妹、千奈美。
「いやさぁ、昨日部活が早く終わって早めの電車で帰ったらイケメンと一緒にモ○バーガーに入ってくの見たんだ。」
「・・昨日友達になった人。」
「友達ってマジ?まぁあれか・・・電車でヨダレ垂らしてるような女子高生に彼氏なんかできないよね。」
平然とした顔で牛乳を千奈美は一気飲みし、ハーッとため息をついた。
ベリーショートで男っぽい顔立ちに、冷めた性格をした千奈美に彼氏がいるとは思えないけどな。