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さて、『月の宴』にむけて睦峰様とは参加することを確認した。
睦峰様は成績に入ることは知らなかったみたいですね。
私が参加するなら、と返事をしてくれました。
人が多いそれに参加するのは気が進まないだろうに本当に申し訳ない。
「優ーー夜会ってなんだ?」
「……え…これ」
光に休憩をももらったらしい桃城くんが机に伸びたまま聞いています。
睦峰様は説明するのが面倒だったのか鞄からプリントを出して桃城くんに手渡した。
案内のプリントを読め、ってことらしい。
夏休み前にもらったもんね。
でも桃城くんが数学と英語の小テストたちを使って紙飛行機を作ってた時に一緒に捨てちゃった事を私は知っていますよ。
「これ強制ではないんだよな?」
こくん、と頷いた睦峰様は何も言わないけど目がプリントを読んでないの?と言っている、ような気がする。
「マナーの授業の成績あんまりよくなかったんだよなぁ…けど…」
「……?」
うぐぅとかんぐぅみたいな奇声を上げることしばらく。
「ダンス忘れた………」
あぁ、そもそも覚えてなかったですもんね。
体育のダンスは男女混合でペアになってやるから私と桃城くんが組んでいたのだけど、授業の時は形だけは出来ていました。
持ち前の運動神経で諸々をカバーしてなんとか、というところだったけど。
それこそ相手が私だったからなんとかなったといっても過言ではないくらいステップが…
足を踏まれることはないものの、リズムが取り辛いというかなんというか……
「大樹、ダンスは卒業するまであるんだよ?知ってる??」
光が物凄く呆れた目で桃城君を見ていますね。
目が合ってしまった桃城くんは若干青ざめています。
わかりますよ、その気持ち…光の笑顔って怖いですよね……!!
「一般市民にはダンスをする機会なんてないんだから勘弁してくれ……!」
確かに。
でも学園にいる以上行事でも授業でもマナーもダンスもあるんだから割り切るしかないと私は思いますよ?
「あー夜会ってことはまたかたっ苦しい行儀作法もついてくるだろ?」
「社会に出るための練習の場だからね」
「俺はパスしようかなぁ……」
桃城くんは相当行きたくないみたいですね。
まぁ無理にいくものでもないし今回はパスというのもありでは?
成績の件は来学期頑張るしかないけど。
「……水無月さん…おめかしする…?」
「へ?あ、はい勿論ドレスで参加します」
「桃華のドレス姿ってレアだよね基本和服か制服だし」
「そうですね、家の名前で参加するときは着物ですから」
「……楽しみにしてる」
「!?……はい、頑張りますね!」
突然何を言われたのかと思いました。
おめかしはしますが…睦峰様から言われるとは。
光もいい笑顔で続けるし、一体何ですかコワい。
「くっそーーずるい、2人共わかってて言ってるだろ!」
「なんのことかなー?」
じたばたしだした桃城くんに光は良い笑顔で何かをはぐらかしているし、睦峰様は桃城くんに向かって首を傾げている。
三人には通じる何かのやり取りだったのかな?
「俺も!夜会に参加する!!」
桃城くんの意思が突然変わりましたよ???
あんなに嫌がっていたのに。
睦峰様と光は何をしたんですかね?
光はともかく睦峰様までそちら側にいるのが意外すぎてなんとも……
「作法とダンスは夜会までに完璧に仕上げてあげるから任せてね」
「ぅ……よろしくお願いします」
光が完璧に仕上げると言ったからには、本当に完ぺきに仕上げてくるだろうな。
桃城くん!とても、スパルタですよ!頑張ってくださいね!!
声には出さないけど心の中でご愁傷さまですと一緒に応援しておくことにします。
「皆さんのフォーマルな姿も楽しみにしてますね」
そのスタイルとお顔ですから、ダンスのお相手に困らないことは間違いない。
そんな三人(もしかしたら後2人)と夜会に出席して、ご令嬢の皆さんの不興を買わないようにうまいことやらなくては……
光を生贄に差し出すことも辞さない心構えで行こう。
うん、そうしよう。
私はここの皆さんとお兄様と踊れたら後は十分です。
いっそお兄様とだけ踊れれば全然オッケーなんで、はい。
更新停滞申し訳ありませんでした
鈍足ではありますが再スタートさせていただきます
よろしくお願いします




