表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/43

3

桃城大樹と名乗ったこの男の子。

ヒロインが彼を攻略対象とした場合私とのイベントはあまりない。

私との間に特別関係があるわけではないため当て馬も邪魔も学園の女子生徒としてしか行動できないからだ。

ただ、妨害していた女子グループのトップは水無月桃華ではある。

もともとの私はただの面食いってことかな?我ながら節操のない嫌な子だと思うよ。


ちなみに彼とヒロインの恋が実った場合、

私や妨害していた女子グループの子達は多大な損害を被ることになる。

粛正される、というのが正しいかな?


「……よろしくお願いします」

お願いだから私に悪評を立てたりしないでね?

「おう!隣の席の子が良いやつそうでよかった~!」

私の内心を知らない桃城くんは笑顔だ。


と、何かをじっと見始めた?

視線の先はさきほど彼が読めなかった私の名前の書かれたプリント。

「……桃仲間だな!」

はい?なに仲間ですか??

桃って……あー名前か。

「そ……うですね、桃って漢字がお揃いです」

「ってことはコンビ名は桃ちゃんズか!」

「………いつからコンビになったのですか?」

桃ちゃんズって何?

「出会ったときからに決まってるだろ?」

「今って事ですね」

「おう!」

キャラ濃いなぁ………


私の知識の中の桃城大樹も確かにこんな感じだけど、それよりもさらに勢いが強い気がする。

そこは高校生と中学生の違いかな?

でも……知識の中の私達にはコンビ名なんてない。

高校にあがるまでの間に仲違いでもするのだろうか?


担任の先生が教室に入ってきたので会話を中断する。

優しそうなお祖父さん先生だった。

学園のしくみや定期テスト、季節のイベントなど入学式ではされなかった細かい説明をうけていく。

最後に数枚のプリントを受け取り解散となった。


解散後は帰宅するもよし、部活動を見学するもよし、ということで部活動の見学に行こうかと思う。

部活動の所属は強制ではないけれど出来れば参加してほしいとのことだったのでどこかには所属しようと思っているし。

クラスの外に交友も広げたい。

なにより新しい人脈もできるだろうし。


入るとしたら運動部より文化部かな。

茶華道や日舞などはお稽古があるから部活でまでやろうとは思わないけど。

配られたプリントの中に部活動の一覧があったから読んでいく。

結構な数がある……全国珍味お取り寄せ会、ギリシャ神話研究会?同好会も結構あるみたい。

生徒の興味に合わせた自由な環境、とかなんとか理事長が言っていたけどこれがそれかな?


ちなみに、隣の桃城くんは野球部かな?

道具が机にかかっているし。


なぁなぁ!と隣から袖を引かれる。

桃華(ももか)って呼んでもいいか?」

また突飛なことを言われるかと身構えてしまったのは本人には秘密だ。

「構いません、好きに呼んでください」

桃の読み方を統一したいのかな?

私の返事に桃城くんは嬉しそうに笑っている。

「やった!今日は桃ちゃんズ結成記念日だな!」

「私と桃城くんの出会った記念日ってことですね」

「……桃華さらっと恥ずかしいこと言うな~」

「?」

桃城くんには負けますよ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ