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粛清、とは。

一方が他方を組織から排除,追放して政治的に抹殺し組織の純化をはかること。


んっんー国語辞典を引いてみた。


「……それは事実ですか?」

『残念ながら』


桃城君の無情なお言葉が返ってきました。

一体何が起こったというのでしょう。

詳しく桃城くんに聞いたところ、婚約に関する事の真相がばれたわけではないらしい。

彼らが彼らの仲間内で呼び出しの際の事を話しているところを通りかかった親衛隊の子が連絡網を回し総動員で彼らを取り囲んだのだとか。

そしてその様子を遠巻きながら見ていた桃城くんのご友人が桃城くんに連絡した、と。


なるほど。

全然わかりませんね。

そもそも親衛隊ってなんですか?

そんなもの知りませんけど。


『あーモモは知らないよな非公認だし』

え、その私以外の人はみんな知ってるみたいな。

『親衛隊と、ファンクラブと、見守り隊と、お菓子を献上し隊までしか俺は知らないぞ?』

までしかってまだあるんですか!?

私の知らないところで立てたくなかったフラグを回収していたと。

これは……予想外というか。

まさかここまでお嬢様達がアクティブだったとは。

いえ、私のためにやってくれたんですもんね。

感謝しないとですよね。

『親衛隊は中でも女子のみで構成された取り巻き部隊だな』

もしかしてもしかしなくても、普段周りにいてくれている女の子達ですか。

『ファンクラブはその下に位置する男女混合の組織で統率がとれているとか何とか』

あの子達やり手だったんですね。

って感心すべきはそこじゃないか。


『まぁモモは親衛隊とかがあるくらいで調度いいだろ~』

え、なんでですか。

『モモ実は結構抜けてるし周り硬めとかないと誘拐とかされそう』

誘拐っておおげさな。

『だしあいつらモモの事大好きだからな~見てて面白いし!』

見てて面白いってこら。

私が大好きって良く分からないけど。

『モモに近づこうとする男とかは取りあえず牽制されてるな』

女の子の集団の中にいる私に話しかけづらいとかそういう事じゃなくて?

『俺も最初は目が怖かったな~』

懐かしいなんて笑っているけどそうだったんですか。


私の知らないところでそんなことになっていたとは。

これは少々まずい、かな?

どうなのだろう。

「私は注意したほうがいいですか?」

『いや、モモの取り巻きとかファンってモモを尊敬してるから行儀いいんだよな~俺たちみたいな一般の家庭の出の奴らにも優しいしさ』

確かに私は貴族思考というか選民思考?のようなものが嫌いですと口にしている。

『だからあのままでいいんじゃないか?』

今回の件に関しては、あの男共も悪いんだし。

ですか。

「このままでいいんですか…?手下みたいでなんというか…」

『手下ってモモは面白いな!』

桃城くんは電話の向こうで笑ってますけど笑い事じゃないですよ!

「ちなみにあの男の子達はどうなったんですか?」

『イイ子になってファンクラブの末端に加盟したとかって話だな~』

穏便に話し合ったってことでいいのかな。

もう、いいかな。


とにかく、と桃城くんは話を区切り今日の放課後そういうことがあったらしいからな!と締めくくり別れの挨拶を済ませて電話を切った。

私たちが平和に午後のティータイムを過ごしている間にそんなことがあったなんて。

……関係ないかもしれないけれど、今日睦峰様が遅れてきたのってまさかそういうこと?

いや、関係ないか。

まふっとお人形の頭に顔を伏せ息を吐く。

知らない間にフラグ回収、か。

原作よりはお行儀のいい集団らしいけど。

これはどうしたらいいかな。

親衛隊にファンクラブその他諸々。

どれだけの規模なのだろう?

トップは?

私の何をそんなに好きでいてくれるのだろう?

打算、か?


どうしたらいい。



*****




翌朝、学校へ向かう車の中で光に親衛隊諸々を聞いてみた。

案の定知っていたらしい。

「知らないのは本人ばかりってやつだね」

「……いつのまにそんなことに」

光の何をいまさらみたいな視線がいたいです。

そんなに有名なんですか。

そうですか……

むーっと唸っていれば隣でくすくす笑っている。

まったく、他人事だと思って。

「他人事じゃないよ?僕達にもファンクラブとかあるし」

心読まれた!?

って光にもあるのか。

や、知識にはそんな情報もあった気がするけど。

達ってことはあのカラフルな名前の付けられた王子には既にあるとみていいか。

女の子のファンがついてるのかな。

私……刺されたりしないかな。

というか私のファンクラブとか親衛隊って女の子ばっかりでしたよね。

なぜ?同性人気が高いのは嬉しいけど。


もめ事の元にならなければいい。

とにかくはそこに尽きるかな。

「私のお友達のみなさんは迷惑にはなってないですよね?」


「大丈夫だよ、彼女たちは桃華の悲しむことは絶対しないから」

にっこりと笑った光の顔は確信に満ちていた。




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