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俺は急いで声が聞こえた方向へ走った。次々と景色が後ろへ流れていく。まるで風にでもなったかのようだ。
「あれは……人? って魔物に襲われてるし! 」
俺は魔物に襲われている少年を発見した。
早く助けないとまずい。
「炎の矢! 」
思わず叫んだ。
俺の投げた矢は、まっすぐ一直線に魔物へ飛んでいった。そして、簡単に魔物を突き刺さした。
さすがのレベル差だな……。というか、技名叫ぶとか俺、中二病かよ。技名はしゃべる必要がないって確認しておいたのに。
いや、それより少年だ。とりあえず無事か確認しなくては。
「大丈夫? 」
そう声を掛けてみたが、反応がない。
なぜだ。 まさか、言葉が伝わらないのか? 異世界転生に翻訳がないとかやばいぞ。
「あー、言葉通じてる? 」
もう一度声を掛けてみた。すると、少年は今気づいたのだろうか、はっとしたかのような表情をしたあと、
「助けてくれてありがとう」
と言った。
どうやら、言葉は伝わるらしい。よかった。
「どういたしまして。お、私の名前はローゼ……です……わ」
女の姿で男言葉はどうかと思ったので、女言葉にしてみた。
「僕の名前はケイトっていいます」
「へえ、ケイトか。いい名前だね」
とりあえず無難に返事をしておく。しかし、ゲームにはケイトなんてキャラはいなかった。やはりここはゲームの世界という訳ではないらしい。
「あの、助けて貰ったお礼をしたいので、僕の村に来ませんか? 」
ケイトがそんなことを言ってきた。俺には行く当てもないので調度いいかもしれない。
「そうさせてもらうよ」
俺がそう返事をすると、ケイトは嬉しそうに
「それじゃ、僕について来てください! 」
と言い、歩きだした。俺もそのあとについていく。
……魔物の横を通ったとき、いい匂いがした気がした。
テスト勉強の合間に書いたのでミスがあるかもしれません。
次の更新も遅くなりそうです。