3 [??? side]
テストなんて無くなればいいんだー!
??? side
こんなことになるなら、森の奥へ行くんじゃなかった。どうして一人で行ったんだろう。僕一人じゃ何もできないのは分かっていたのに。
――もう、走るのも限界だ。でも、止まったら魔物 に追いつかれる。走らないと。
「うあっ」
足に痛みが走る。どうやら足をくじいたらしい。
僕は大袈裟に転んだ。
やばい、早く立ち上がって逃げないと。
そう思ったとき、背後から
「グアアアアァァァァァァァアアアア! 」
声が聞こえた。
死ぬ。僕は死ぬのか。やだ、死にたくない。死にたくない!
「うわあああああぁぁぁぁぁ! 」
走ろうとしても足に力が入らない。
魔物が僕を食べようと口を開ける。
「あ、ああ……あぁ」
もう、駄目なのか……。短い人生だったな。はは。
諦めかけたその時、
「炎の矢 ! 」
魔物が燃え去った。
ーーあ? え?
急にでてきた少女が声をかけてくる。
「大丈夫? 」
僕は何も返事ができなかった。する余裕もなかった。月に照らされた彼女があまりにも綺麗でーー見とれていた。
誰もが魅了されるであろう赤い目。それが、僕に向けられていると考えるだけで顔が熱くなるのを感じた。
「あー、言葉通じてる? 」
黙っている僕に不安を感じたのか、彼女が聞いてくる。
いつまでも黙っているわけにはいかない。礼を、しないと。
「助けてくれてありがとう」
これが、僕と彼女の出会いだったーー。