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プロットなしで書いてます。途中で連載止めるかもしれません。それでもよろしければどうぞ。
「強くてニューゲーム? 」
ゲームをクリアすると、強くてニューゲームという選択肢が出てきた。 今のステータスのままやり直せるってことだろうか。
「よーし! じゃあ、二週目いきますか! 」
俺は迷わず決定ボタンを押した。
それにしても、説明書にこんなこと書いてあったか。もしかすると、サプライズ的な要素なのかもしれない。まあ、気にする必要もないだろう。なんだか眠くなってきたし、続きは一眠りした後にするとしよう。
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目を覚ますと、森の中に俺は立っていた。あたりは少し薄暗く、人の気配一つ感じない。
……は?
「いったい、なにがどうなって……えっ! 」
思わず口を手で覆う。
綺麗な声だった。自分でも聞き惚れるほど。いや、それどころではなく。
な、なんだ今の声は!? まるで女じゃないか!? ……お、落ち着け、俺。ただの聞き間違いだろう。よし。それじゃ、せーの、
「あー」
聞こえてきたのは、綺麗な声だった。大事なことだからもう一度言う、綺麗な声だった。
……。
どうやら聞き間違いじゃないらしい。認めるしかなさそうだ。あの、美しい声は自分の声だ。
いや、本当にどうなってんだよ! ゲームやってただけだぞ……。
俺は下を向いて溜息ついた。
――ん?
今更気づいた。俺の身体はどこからどう見ても女だった。そして、このスラッとした体型、黒いドレス……。
自キャラのローゼじゃねえか!?
なぜ?
そんな言葉が俺の頭の中でグルグルと渦巻いた。その勢いは弱まるどころか、加速していく一方だった。だがしばらくして、それは唐突に弾けて消えた。
「なんだ夢か」
・
・
・
とりあえず俺は森から出ようと歩きだした。そして、歩きはじめてから1時間たった頃、ようやく出口が見えてきた。
やっとこの薄暗い森から抜けられる……。
それまでの疲れも忘れて、俺は日なたへ一歩を踏み出した。
この時、俺は気づくべきだったんだ。ローゼの種族は吸血鬼に設定されていたということに。だが、もう遅い。
足が地面に着いたとたん、俺の足は燃え上がった。
「ぎゃあああああああああああっ! 」
痛い。
イタい。イタイ痛いイタイイタイ!!
火を消さないと!
どうやって?
日陰に入って。
「うあああっ! 」
俺は本能で日陰に戻った。
本気で死ぬかと思った……って足!
足をの様子を見てみると、傷一つついていなかった。
自然治癒スキル。
俺のゲームキャラクターのローゼにはそれがあった。感覚としては、足だけ風呂で洗ったかのようだった。
本当にローゼになってるんだな俺。
さて、これからどうしよう?
感想お待ちしています。
2014/9/21 一部設定変更&表現変更