#5
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オーク退治が終わります。
すぐにおじさまが駆け寄ってきます。今なら信じてもらえそうです。おとうさまのことも全部正直に話します。おじさまは驚いてます。けどおとうさまなら納得だそうです。さすがおとうさまです。
おじさまは村の人たちに説明にいきます。その間にわたしはおじさまのお仲間に同じ説明を繰り返します。やっぱり納得してくれます。おとうさまは偉大です。
わたしは人の形です。けれど人ではないのです。錬金術で作られた、人の形の別物です。
おじさまたちは事後処理があるそうです。わたしもおてつだいです。オークの死体を運びます。村人さんたちがまたおどろきます。
干し肉にしたり晩ご飯にしたりです。量が多すぎるので残りは焼いてしまいます。残しておくと動物達がやってきてあぶないです。
火がつく前にこっそり一匹持ち出します。お肉は食べて中身も取り込んで血はドレスにくっつけます。裾が少し伸びます。おしゃれです。
夜はおまつりです。オーク退治のお仕事もおしまいです。すぐに出かけるみたいです。
お友達はおまつりを楽しみたいみたいです。わたしもです。楽しみです。
1日くらいもダメだそうです。大規模な狩りはすぐ噂になります。冒険者さんと村人さんはだいじょうぶです。でもわたしがダメなんだそうです。
この国はもう敵国のものです。民は資源です。税を納める先が変わるだけです。農民です。平気です。
冒険者はならず者です。危ないです。わたしはおとうさまの研究成果です。もっと危ないです。
村人さんたちはおまつりです。わたしたちはこっそり抜け出して旅を続けます。オークはいません。ゴブリンは増えました。生態系です。底辺です。