読書/海堂尊『極北のクレーマー』
<横帯/あらすじ>
沈没する地方衣料を救うのはだれか/赤字病院に左遷された下界・今中の前に現れた謎の女医・姫宮の狙いは? /メディカルエンターテイメントの新境地/病院が消えていく……/財政破綻にあえぐ極北市。赤字5つ星の極北市病院に、非常勤下界の今中がやってきた。院長と事務長の対立・平静で管理もずさん、謎めいた医療事故。女性ジャーナリストの野心。病院閉鎖の危機……。はたして今中は桃色眼鏡の覇権女医・姫宮と手を組んで、医療崩壊の現場を再生できるのか。
<キーパーソン・キワード>
主人公:今中良夫 ←→ 市長の御曹司:後藤
産婦人科部長:三枝先生 皮膚科医:姫宮(実は厚労省補佐)
看護師:並木 医師:世良雅志
<構成>
第一部 雪の奈落 13章 9-222頁
第二部 極北の光 14-26章(13) 224-436
全9-436頁
物語の1/4あたりまで病院スタッフと主人公の紹介。
物語の2/4あたりで、姫宮補佐が登場し消える。
物語の3/4あたりでクレーマーの消防士・広崎明宏と、彼を焚きつける医療ジャーナリスト・西園寺さやか(実は碧翠院病院の一族・双子姉妹の一人)が登場。
最終章の「救世主」で、新病院長・世良が登場。
<感想>
モデルの町は財政破綻した夕張市がモデルだと考えられる。……むかし、職場上司が医療事故の話しを振ってきたので、あまり医者イジメをすると、医師になる人が少なくなると答えたら、「おまえは家族を死なされた立場の身になっていないだろ。医師会が悪い。イスラエルやキューバの成功例にこんな話しがある」と切れてまくしたてられたことがある。――はい、その上司、クレーマーです。医師がいなくるといっても大都市圏はまだなんとかなる。地方過疎地では、診療所があっても常駐医師がいないことがある。……本書は、医師である著者様からのご指摘。
ノート20190314
朝日新聞出版2009




