読書/海堂尊『ブレイズメイズ1990』
物語はモナコで始まる。
東城大・外科研究医・セラは、同大学付属病院長・佐伯教授の命を受け、「聖なる守銭奴医」甘城をスカウトする。
天城は、患者にルーレット勝負をして、相手が勝てばただ、負ければ全財産の半分を治療費として請求するような、当然、日本では受け入れがたいタイプの名医だった。それでも天城は、世良の説得で、日本へ戻る。
山場は、第7章の公開手術だ。費用は、アラブ王族に出させた。会場の医師たちを挑発しつつ、ぐうの音も出ない完ぺきな手術で圧倒し、東城大学の教授を沈黙させ、制圧した。
天城は、スリジエ・ハートセンターを建設しようと目論む。デザインは、親友であるモナコ公国一門出自のマリーシアに頼み、資金は日本の大富豪個人資産の半分・150億から拠出させた。
私は実写版をまだ拝見していない。
本編の主人公・天城は、手塚治虫漫画『ブラック・ジャック』を彷彿とさせる守銭奴医で、ロシナンテなる超高級サイドカーを乗り回す洒落者、美男子である。視点者の天城との関係はちょっとBL的なムードが漂い、女性ウケしたことだろう。
ノート20210923
本文6-339頁 全8章
講談社2010
読書録を保管したPCが壊れたので再打ち込み。




