読書/喬良 ,王湘穂『超限戦 21世紀の新しい戦争』
昨年kindle本で読了し、ツイッターで読書録を残しておいた。なろうに記事を転載しようと思ったら、センシティブ記事になったとのことで、開けなくなっていた。悪口はかいていなかったのだけれど、世に広めてはいけない、タブー情報だったのだろうか? 邪推。
超限戦とは、武器をとって戦うばかりではなく、政治・経済・情報戦・自然災害をも利用した戦い方だ。「非軍事の戦争行動」は、貿易戦、金融戦、新テロ、戦生態戦からなる。第一の貿易戦は、国内貿易用の国際運用や関税障壁の恣意的な設定と破棄等だ。第二の金融戦は、非国家組織が非軍事手段を用いて主権国家に仕掛ける非武力戦争だ。第三の新テロ戦は、伝統的なテロに比べて規模が大きくなる。第四の生態戦は、遠くない将来、「エルニーニョ」「ラニーニャ」現象が人工的に作られるとする。この他に、経済秩序に打撃を与える密輸戦、他国の世論を誘導するメディア戦、麻薬戦、ハッカー戦、標準を作って特許を独占する技術戦、資源戦、貧国に恩恵を施してコントロール下に置く経済援助戦、異分子を同化させる文化戦を紹介。使われることのない核兵器の陰で、現代戦は、戦場ではなく、市場や生活エリアといった身近ないたるところで行われている。
中国軍少将と大佐の二人が著し、世界にセンセーションを起こした21世紀の戦争論で、同時多発テロを予測している。アメリカ国防省は早くから着目、中国に乗っ取られかけていたオーストラリアは、恐らくこの本で気づいた。
目次
第1部 新戦争論
第一章 いつも先行するのは兵器革命
第二章 戦争の顔がぼやけてしまった
第三章 教典に背く教典
第四章 アメリカ人は象のどこを触ったのか
第2部 新戦法論
第五章 戦争ギャンブルの新たな見方
第六章 勝利の方法を見出す――側面から剣を差す
第七章 すべてはただ一つに帰する――超限の組み合わせ
第八章 必要な原則
ノート20210928
喬良,王湘穂 『超限戦 21世紀の新しい戦争』




