覚書/心霊的吸血鬼(メンタルヴァンパイア)考
吸血鬼について考える。
サイコパス・土俗に吸血症・食人がある。日本の鬼は吸血鬼か人食いの怪異だ。――『世界魔法大全 第4巻 心霊的自己防衛』によると、欧州神秘学上の吸血鬼は被害者から生体エナジーを吸い取り疲れさせる吸精行為をし、記憶を保ちながら魂を、依代たる被害者の身体を次々と乗り換え、半永久的に生きる精神生命体なのだそうだ。
だいぶ前、鎌倉の名刹門前で、「吸血鬼」とすれ違ったことがあった。吸精行為で、失神しかけ、石段から転げ落ちるところだった。――基本、彼らは捕食で、被害者を殺しまではしない。
神秘学者の述べるところ、話していて疲れる人というのは吸血鬼の可能性があるという。――だが思考回路が人と違うため話しのテンポがずれる、マウントを取りたくて無為に否定するタイプの人は疲れる人だ。――そういう意味でいうと私も、神秘学者の述べるところの「吸血鬼」に分類されてしまう。
夜中、そんな覚書をツイッター投稿していたら、最近相互フォローするようになったラノベ作家の卯堂成隆先生(@loadofbear)から、江口之隆 著『西洋魔物図鑑』(1996年)に、「心霊吸血鬼」で、この存在を定義したものだとのご指摘を受けた。江口先生は、『世界魔法大全 第1巻 黄金の夜明け団』の翻訳もなさっている、日本の西洋魔術研究家だ。
鎌倉での体験の他に、学生時代、霊能者関係者から、この手の逸話を聞いたことがある。1980年代のことだ。本屋でバイトをしていた女学生が、店主夫妻はそれだと悟った。――私の希望的観測だが、たぶん彼女は、依代ではなく、少し餌をやって逃げ帰ったものと想像している。
私のように絵を描く人間は、霊能者ではないけれど思考回路の都合上、希にほんの瞬間、あっちの住人と接点をもつことがあるらしい。
ノート20210912
心霊的吸血鬼考