ぴっかぴか
☆
明後日、という日の朝。
いわゆる、ロジューと共に隣領に帰る日。
景子が目を覚ますと、違和感があった。
何か、ちょっと違う気がした。
両手を見る。
いつもの自分の光のように見えて、少し光り具合が上がっている気がする。
んー? 体調がいいのかな?
その違和感を抱えたまま、彼女はとりあえず着替えを始めた。
そして。
違和感というものは──最大限にふくれあがった。
「え……」
お腹が、小さな光をぴっかぴかに放っていたのだ。
自分の光は、よく知っている。
いままで、こんなことは一度もない。
ええと。
景子は、自分の眉間に指をあてた。
何というか。
その。
これは。
もしかして。
そういうこと、なんだろうか。
かぁぁぁぁっと、景子の全身に血が巡った。
あわわわわ、どうしよう。
ちゃんと覚悟をしていたことではあったが、まさかこんなすぐに分かる結果で見えるとは、思ってもみなかったのだ。
このぴかぴか具合は、たとえ小さくとも──イデアメリトスの命としか思えなかった。
ど、どうしよう、どうしよう。
景子は、一人ベッドの上でおろおろした。
ここは、ロジューの隣の部屋。
昨日は、ちゃんと彼女は歩いて帰ってきたのだ。
このことを、誰かにに告げた方がいいのだろうか。
誰かと言っても、アディマかロジューにしか言いようがないのだが。
いや、まだ間違ってるといけないし。
普通の女性は、こんなに早く自分の懐妊を知ることはないのだ。
間違ってると……。
景子は、もう一度おそるおそる、自分の下腹を見た。
やっぱり──ぴっかぴかだった。




