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ぴっかぴか

 明後日、という日の朝。


 いわゆる、ロジューと共に隣領に帰る日。


 景子が目を覚ますと、違和感があった。


 何か、ちょっと違う気がした。


 両手を見る。


 いつもの自分の光のように見えて、少し光り具合が上がっている気がする。


 んー? 体調がいいのかな?


 その違和感を抱えたまま、彼女はとりあえず着替えを始めた。


 そして。


 違和感というものは──最大限にふくれあがった。


「え……」


 お腹が、小さな光をぴっかぴかに放っていたのだ。


 自分の光は、よく知っている。


 いままで、こんなことは一度もない。


 ええと。


 景子は、自分の眉間に指をあてた。


 何というか。


 その。


 これは。


 もしかして。


 そういうこと、なんだろうか。


 かぁぁぁぁっと、景子の全身に血が巡った。


 あわわわわ、どうしよう。


 ちゃんと覚悟をしていたことではあったが、まさかこんなすぐに分かる結果で見えるとは、思ってもみなかったのだ。


 このぴかぴか具合は、たとえ小さくとも──イデアメリトスの命としか思えなかった。


 ど、どうしよう、どうしよう。


 景子は、一人ベッドの上でおろおろした。


 ここは、ロジューの隣の部屋。


 昨日は、ちゃんと彼女は歩いて帰ってきたのだ。


 このことを、誰かにに告げた方がいいのだろうか。


 誰かと言っても、アディマかロジューにしか言いようがないのだが。


 いや、まだ間違ってるといけないし。


 普通の女性は、こんなに早く自分の懐妊を知ることはないのだ。


 間違ってると……。


 景子は、もう一度おそるおそる、自分の下腹を見た。


 やっぱり──ぴっかぴかだった。


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