塩ラーメンと私
3月のある晴れた火曜日の昼下がり。私は最近できたばかりの新進気鋭のラーメン屋さんに入った。
数日前に YouTubeで私の好きなお笑い芸人がその店でラーメンを食べていた動画があり、たまたまそれを見て「今度行こう」と思っていた店だった。
入ってすぐ満席なことに気がついた。しかし、店員のお姉さんが 「お1人様ですか?」と聞きに来て、私がはいと答えると、「狭くて良ければカウンターが一席空いてますが」と言った。私は大丈夫ですと答え、カウンターのちょうど真ん中あたりの 1つだけ空いた席に座った。右側 2人は同じ作業服のようなものを着たおっさん 2人。左側はどんな人だったかというと…今ここでは言えない。
私は1人でラーメン屋に入る事など何も抵抗は無いが、私のまわりの同年代もしくは少し上の世代の男性には1人でラーメン屋に入れない方もまあまあ存在する。
私は高校生の時ですら1人で吉野家に行ってたくらいだ。今思えばさすがにそれはどうかと思うが。
話は戻って私は数日前に見たYouTubeで私が好きな芸人が食べていたものと同じものを注文した。貝出汁の塩ラーメンである。
私が注文して3分後くらいに左隣りの席の方が食べ終わり、席を立ち会計を済ませ店を出て行った。急に左側に開放感が溢れた。しかしそれも束の間、すぐさま新たなお客さんが入ってきた。私はその方に顔は愚か視線すらも向けなかったが、雰囲気と注文する声で年代と性別はわかった。
どんな人だったかというと…今ここでは言えない。
私は自分が頼んだラーメンが来るまでの間、絶対に携帯を見ないというルールを自分に課し、カウンターという事もあり厨房をガン見していた。
私は花粉症持ちで鼻に関しては薬が効いていたようだが何故か目は薬が効かずショボショボ状態で、店員さんが厨房の中から見た私は泣くのを堪えながら厨房を見つめていて何かワケありの悲しい過去を抱えた男のような感じだったと思う。
しかし俺は携帯を見なかった。ひたすら厨房をガン見した。絶対に負けられない戦いがそこにはあった。
そして…ラーメンが出来上がり自分の前に出された。
そう、俺は勝ったのだ。
俺はスープを少し飲んでからラーメンをすすった。
美味しかった。もう少しスープを飲んだ。そして再びラーメンをすすった。
ちょっとしょっぱいかも、と思った。
もう少し塩味抑えてもいいかも、と思いました。




