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、ゲームへ  作者: ヒト
第ニ章 骨の髄まで
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愛されて」

「貴方が見本になってくれた!私を助けて、愛を教えてくれて、恋をさせてくれた!だから、私は貴方に愛されるように、努力した!愛をちゃんと知るために、いろんな人と愛し合った。それで、ちゃんと愛を学んだの!」


俺はこいつの話が、耳を塞ぎたくなるほど聞きたくなかった。自分の言葉が一人の人生を狂わせたんだ。自分も知りもしない愛をその場しのぎで唱えて。


こいつの根源は、「初めて大切にされた」ことと「愛」を知ったことにある。そのすべてが俺の行為であり、罪だ。


「愛っていうのは、相手を自分に染めること!やりたい事を何でもしてくれる、優しい人になることなの!」


実感したこともないことを、浅はかな知識で教えたこと。それを真実のように教えてしまった。


「そのためなら、嫌なことも我慢して、愛されるようにする!そしたら相手も愛してくれる!それが相思相愛って知ったの!」


同じような境遇だった。だから、どうしても助けたかった。楽になってほしかった。幸せを願った。でも、俺があいつの人生を変えてしまった。


それほどの影響力があるとも知らずに、言葉という力を使ってしまった。

罪は俺にある。そして、罪には報いがある。

それは、懺悔して償うことだ。


だから償うよ。人生をかけて。

「また聞いてくれ、アゼル。俺の懺悔」


「だからね、ダーリン·····。私を愛し·····」

ユルハがもじもじとして、下を見る。

そこに思いっきり力んでナタを振るう。

傷口から血が噴き出すが、関係ない。


驚いたユルハだったが、すかさず防御する。

「駄目だよ!まだ、話が終わってない!」

俺はナタを捨て、腕を掴む。


奴は今、斧も振れず、身動きも取れない。

「痛っ!」

俺の力は今、万力にも及ぶほど強かったと思う。でも、不思議と身体が楽だった。心も波一つ立たず、穏やかだった。そのおかげで力みやすい。


「パンッ」

如月さんの撃った弾丸が、肩を貫通してユルハの頬を抉る。


「翔!いけぇぇぇぇぇぇ!!!」

後退したユルハに拳を放った。

抉れた頬に拳がめり込んだ。肉の感覚が強く手に残った。

まともに当たったはずだ。


ユルハは吹っ飛んでいった。そして、手をつきながらふらつく体を起こす。

如月さんが、そこに突っ込んだ。


ユルハの斧はまだ、地面を這っている。

その隙に、如月さんが刀を振り下ろそうとした。完全な隙だ。攻撃は当たる、と思った。


しかし、ユルハはボスだ。上手くはいかなかった。


ふらつく体を無理矢理動かして距離を詰め、隠し持っていたナイフで如月さんの腹を刺した。

「ま····じか」


力が抜けて倒れ込んだところに、何度もナイフを振り下ろしている。如月さんは抵抗もせず、刺されるだけだった。助けに行こうとした。


しかし、体に力が入らない。立てない。何もしていないはずなのに息が切れる。心臓の動きに怠さを感じる。


嗚呼、終わりか。


今回は結構進められたはず。次はどうしよっかなぁ。どうやったら······償える······やろ。

あー頭がまわらへん


意識が遠のいて行く。

体が楽になっていく。眠るように、瞼が重くなる。蕩けるような感覚だ。


そしたら声が聞こえたんだ。

「救ってあげるからね。愛してるよ、翔」

どうも、ヒトです。この作品を読んでいただきありがとうございます。良ければ感想やブックマークをしてくれると嬉しいです。誤字脱字もあったら報告していただけると助かります。

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