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、ゲームへ  作者: ヒト
第ニ章 骨の髄まで
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「地獄」 前

配置は思ったよりも順調に進んでいる。

1階は、咲ねえと如月さんで決まりそうだ。

咲ねえは言わずもがな、とんでもなく強い。


如月さんも強い。冷静に状況を判断して、咲ねえと息ぴったりに動いている。これは多分、2人だから取れる連携だ。


そして2階は、俺、真弓、ハルだ。2階に逃げてきた奴らを真弓がアサルトで一掃する。殺し損ねたやつらをハルと俺で殺る。


それと俺は、戦況を見つつユルハのもとに向かう。できれば如月さんと一緒にだ。

「それじゃあ待機で」


俺たちは別れて、それぞれ絶好の場所に身を潜めた。しばらくは戦いはないだろう。

今のうちにあの人に連絡をしよう。


「クロとコピーの数が減ったらユルハ探しに行くって話でしたよね?」

メールを送ってしばらくして既読がついた。


「そうやね、どうしたん?」

俺はあることを思い出していた。

それは、深夜の襲撃のことだ。あの時、俺は頬を切られた。


あの攻撃は、思い返してみたら殺気のない攻撃だった。それじゃあ、なんで攻撃したのかを考えた。もちろん逃げるためでもあるだろう。


でも、いろいろな情報を照らし合わせてみると新たなものが見えてくる。

コピーは体液を使って生まれる。それを考慮すると、俺は血という体液を奪われていたのだ。


真弓のコピーは、俺の血を取るために攻撃して逃げたんだ。そうなれば、俺のコピーはいるはずだ。それも、ユルハの近くに。


「ユルハと戦う時、多分俺のコピーがいると思います」

先ほどの推測を説明しながら目的を伝える。


「ユルハの相手をしてほしいんです。俺は俺の相手をしたいんです」

ユルハをクリアするには、ユルハと戦って実力を知る必要がある、と普通は考えるだろう。


でも、俺にはラクがいる。だから、コピーをラクに変えることができるのか·····。コミュニケーションを取ってみようと思った。


「それはラクのことが関係してる?」

「そうです」

ここでラクにできなくても次には繋げる。そのためにも。


「分かった。済んだら参戦してね」

「了解です」

これで準備は整った。


俺はスマホの電源を落とす。今は楽にしていられる。

何も考えなくていい。ゆっくりすればいい。

薄暗い部屋の天井を見上げて、俺は力無く床に座った。時間だけが過ぎていった·····。









スマホの電源をつけると、時計は4時になっていた。

······遅くないか?あまりにも遅い。

前回はもっと·····


「うわぁぁぁぁ」

突然叫び声が聞こえた。それも廃墟の外。

急いで確認すると、そこには人と思われるものが3体の巨人に追われていた。


「ハル。あれ人か?」

ハルは目を凝らす。

「黒いモヤはない·····。人だよ」

その言葉を聞き、思いきり如月さんと咲ねえの名前を叫んだ。


「如月さん!咲ねえ!」

すると、待機していたであろう咲ねえが飛び出す。

襲いかかる巨人に飛び蹴りをかまして、救出に成功する。


「ありが·····あれ?咲さん?」

「え?蒼汰くん?」

俺は顔をよく見る。


そいつは本当に蒼汰だった。一番仲の良かった友達で、とにかく素直なやつで·····。

って、今はそんな事はどうでもいい。


「翔もおる·····なんで?」

蒼汰をハルに任せて、俺たちは巨人と戦う。

複数同時に相手するのは初めてだ。かなり厄介だろう。


なら·····

「咲ねえ、好きに暴れてくれ!俺と如月さんで援護する!」

これでいい。道を切り開く!これが俺の役目だ!


咲ねえが巨人たちに突っ込む。

「うおぉぉぉぉぉぉ」

防御の上から拳を全力で振り抜く。

巨人1が蹌踉めく。


追撃をしようとするがそれを、巨人2、3が防ごうとする。そこを俺と如月さんで対応する。

「この2体相手します!如月さん、咲ねえと協力してトドメ!」

「了解!」


全員がその場の状況を理解して行動している。互いに信頼しているからこその芸当だ。

俺が2、3の相手をしていてヤバい時は、真弓の正確な射撃によって助けられる。


2は腕を切り落とすと、後退していった。

「真弓ぃぃぃ!」

腕を再生するより速く、真弓の放った弾丸が心臓を貫いた。


3は俺が至近距離で頭を弾いて、ふらついたところを真弓の射撃で殺した。

咲ねえのほうは言わずもがな、処理は完了していた。


「助かっ·····た?」

蒼汰の力ない声が聞こえる。安堵したのかと思ったのもつかの間、蒼汰は地面を殴り、暴言を吐き始めた。


俺が死ねばよかったと、なんで生きてるんだと。

「落ち着け!蒼汰、蒼汰!」

俺がなだめて、なんとか正気に戻した。


「何があった?」

俺の問いに蒼汰は何処か遠くを見つめて、虚ろに答えた。

「町が·····襲われたんだよ。バケモノに」

どうも、ヒトです。この作品を読んでいただきありがとうございます。良ければ感想やブックマークをしてくれると嬉しいです。誤字脱字もあったら報告していただけると助かります。

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