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、ゲームへ  作者: ヒト
第ニ章 骨の髄まで
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「枯れない花」

教会の横にあるアゼル達の家に上がらせてもらい、荷物を置いた。

「ここが女子の部屋。こっちが男子の部屋だ」

俺と如月さんは男子部屋に入って荷物を置いた。


戦闘に必要なものだけを持って咲ねえ達も集まった。

「これからどうするんだ?」

アゼルが心配そうに聞いてきた。


「今から展望台に行って、敵を倒します」

俺はそう答えた。

すると、アゼルは少し考えてから渋るように言った。

「·····殺すのか?」


「·····はい。相手はコピー人間で攻撃してくるし、ボスは絶対殺さんといけん。やから殺します」

俺ははっきりとアゼルに伝えた。包み隠さず、俺が今からやろうとしていることを。


その言葉を聞いたアゼルは憐れむように俺を見た。

「殺す以外の方法はないのか?」

「ありません」

「交渉は?」

「無理ですね。話が通じないですから」


アゼルは俺に殺す以外の選択肢を見出させようとしていた。

「アゼル。俺は大丈夫です。心配いりません」

そう言って俺は安心させるために微笑んだ。


するとアゼルは複雑な顔をしてしまった。

何か言葉を出そうとするが、喉につっかえている。そしてようやく重い言葉を切る。

「違う·····違うんだ。このままだったら翔が壊れてしまう·····」


その言葉を聞いて、俺は否定出来なかった。多分自分でも気づいていたのかもしれない。

俺は大丈夫だと言おうとしたが、それが中々口にできない。


アゼルは最後にこう言った。

「気づいてるか?翔、お前今、昔の死んだ顔と同じ顔をしているぞ」

最初、何を言っているのか理解出来なかった。

そこで何故か真弓が昔、ずっと手を握ってくれていたことを思い出した。


そこでやっと気づいた。

今までの皆んなの反応や対応は俺が昔に戻っているような気がしたからだったのかと。 

俺は頬に手を当てた。多分今も俺は酷い表情で、皆んなの前に立っているのだろう。


どうしようもなく立ち尽くしていると、教会の方から銃声が聞こえた。

「行ってくる」

俺は急いで教会に行った。そこには暁音がいるから。


「暁音!大丈夫か?」

扉を開けて中を見た。

「ま·····真弓?どうしたんですか?」

そこには深夜、殺し損ねたコピーの姿があった。


幸い弾は暁音には当たっていない。

「こんなところまで何しに来てん。死にに来たんか?」

ピストルを構えて、コピーに向ける。


「······。翔はさぁ、愛って何やと思う?」

コピーは急に変なことを言いだした。

「黙って銃捨てろ。撃つぞ」

鋭い眼光でコピーを睨みつけた。

しかし忠告も虚しく、コピーはまだ喋り出す。


「愛おしい気持ち?それとも可愛いって感じること?はたまたその人に尽くしたいって思う気持ち?」

俺はコピーに向かって、3発撃った。

弾は当たらず、かすりもしなかった。


コピーはそんな状況でも平然と喋っている。

「私はね、愛は独占欲やと思うの。その人を独り占めして、その人の愛を独り占めして、心も体も全部、自分のものにしたい。それが愛」


コピーは少し悲しそうな顔をしていた。

「私は私じゃない。この私は貴方を愛せない。やからここで死ぬね」

コピーはそう言って、自分の頭に銃口を突きつけた。


「っ·····。ばいばい、翔」

何か言葉を言いかけていたが、それを押し殺すように堪えていた。

「まゆ·····」

咄嗟に声が出た。何故かは分からない。

でも悲しむような顔が真弓に似ていたから。


「パンッ」

銃声とともに体は倒れていき、床に横たわった。そうして、原形もなく灰になっていった。


「翔!クロの相手で遅くなった。敵は·····?」

「死んだよ。自分で」

俺はしばらくの間、その灰を見つめていた。

どうも、ヒトです。この作品を読んでいただきありがとうございます。良ければ感想やブックマークをしてくれると嬉しいです。誤字脱字もあったら報告していただけると助かります。

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