「殺そう、あいつら」
「·····きて、起きて!」
目が覚めると、咲ねえが起こしに来てくれていた。いつの間にか寝ていたみたいだ。
「今何時?」
「今、1時。あと1時間ある」
隣にいる真弓を起こし、また全員を俺の部屋に集めた。
「俺たちは30分前には外出るから、真弓たちもそれくらいの時間には父さんたちの部屋の前におって」
「「了解」」
後は戦う準備。俺は前回と同じくナタを持った。ハルは包丁を持った。もともと持っていた物らしい。咲ねえは·····一応、メリケンサックを持たせた。
準備していると、あっという間に時間がすぎ、30分前になった。
「それじゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
真弓に背中を押され、外に出た。
咲ねえが向かいの家に隠れ、俺とハルも玄関の塀に隠れた。ここから喋ることもできないので、メッセージでやりとりをした。
「咲ねえ、そっちは準備OK?」
「大丈夫、できてる」
「真弓たちも?」
「うん、ちゃんと父さんたちのこと守るよ!」
準備は整った。後は·····殺すだけだ。
凍てつく中、しばらく静寂が流れた。息も濃く、はっきりと浮かぶほどだ。道路に敷かれた雪がキラキラと光り、もう一つの空のように輝いていた。
そして、凍った時間が溶け始める。
「ギュッ、ギュッ、ギュッ」
雪を踏む音が聞こえる。
向かいの咲ねえと目を合わせ、俺とハルは身を構える。
ここで変な緊張が襲ってきた。緊張というか違和感というか·····。そこでやっと濃い息が目に映った。
「·····!しまっ」
気付くのが遅かった。
いつの間にかコピーが塀の上にいて、ナイフを振り下ろしている。
間一髪のところでハルがナイフを弾いた。
「さ、サンキュー。助かった」
「大丈夫、それより戦おう」
咲ねえはもう真弓と自分のコピーと戦っている。そして俺たちの前に3人が立っている。
「翔!よく気づいたなぁ。なんでや?なんで気付いた?」
「俺たちの息やろ?」
そう、息が塀の上から見えてしまっていたんだ。だから前回もバレたのか。
「正解!流石、俺の息子や!」
「ハッ!誰がお前の息子や。お前に言われても嬉しくないわ。さっさと殺させろ」
ナタを構える。ハルもそれに合わせ、包丁を構える。
「う〜ん、これは殺す気やな。それじゃあ、俺も殺すかぁ」
そう言って、コピーは拳を構えた。それは咲ねえと同じ構え·····。真っすぐと拳を構え、相手を威圧するように睨みつける。
「咲に空手教えてたん、俺やからな」
そう言って、一気に踏み込んできた。
「ハル、2人頼んだ」
「うん」
踏み込むのを見越して、ナタを振り下ろす。
でも、振り下ろしたナタは当たらない。
寸前で止まりやがった。
振り終わりを狙った拳が来る。
それを何とか躱すが、体勢が崩れた。
そこへ追撃の蹴りがくる。
「それを待ってたんだよ!」
俺は倒れながら、迫りくる足を切り払った。
コピーは体勢を崩し倒れた。
すかさず俺はナタを振り下ろした。
「流石やな、しょ·····う」
まずは1人。
ハルに加勢しようとしたが、終わりかけだった。ハルは最後の1人を殺そうとしていた。馬乗りになり、勝利は揺るぎないものになっている。
「ごめんね、裕太」
ハルは最後の攻撃を入れた。
·····これで3人片付けた。
後は·····
「翔!危ないっ!」
突然、咲ねえの声が聞こえた。
振り返ると、コピーがこちらに向かって走ってきていた。
「やばっ」
ナイフで突きを食らいそうになったが、頬を掠める程度で済んだ。
「くそが」
そのコピーは、その攻撃をしただけで、走り去っていった。
「翔!大丈夫?」
咲ねえが慌てて走ってきた。
「大丈夫、ちょっと掠っただけ。咲ねえは?」
「私も大丈夫·····」
良かった。無事みたいだ。
「ハルは?」
「あぁ、ハルも·····大丈夫や」
これで深夜の襲撃を切り抜けれた。
真弓たちにも連絡をして、全員無事だと告げた。真弓たちも何も問題もなかったようだ。
ここまでは計画通りに行っている。明日はどうなるかは確信できないが、きっと上手くいくはずだ。
2人は綺麗に輝く空を見上げ、流れ星に上手くいくようにと願っていた。
俺はそんな2人を見て、1人、遠くを見た。
2人の祈りも終わり、俺たちは家に帰った。
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