表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
、ゲームへ  作者: ヒト
第ニ章 骨の髄まで
14/32

「むかしのまま」

20分くらいして展望台への山道に着いた。

山には雪がずっしりと積もっていたけど、山道の雪は足跡で平らになっていた。大量の足跡がある。私は気を引き締めて山道に入った。


「なんかあるかな?」

展望台には確か古い建物があった。そこに何かあるのかも。

·····足音が聞こえた。人が来る。


「あら、こんにちは。咲ちゃんやないの」

「こんにちは」

来たのはよく真弓と散歩してる時に会う夫婦だった。普通に散歩してる様に見えた。

でも、この人達は多分コピー人間だ。


「今日は公園じゃないんですね」

私はそう問いかけた。

「そうなんよ〜。今日は久しぶりに山道歩きに来てん」

「そうですか」

確信に迫るためもう一つ質問する。

「前、山道歩くときストックは絶対持つって言ってましたよね。持ってないですけど、どうしたんてますか?」


「なに〜、今日はちょっと忘れただけよぉ〜!」

「そうです·····か!」

私は見逃さなかった。夫婦の後ろからナイフが飛んできていたのを。

それを間一髪で避ける。


私は拳を構えて周りを再確認した。

多分物陰に8人くらい隠れてる。

「今降参したら悪いようにはせんからね。ほら咲ちゃん、やる事は一つやで」


「そうやねっ!」

思いっきり踏み込んで相手の懐に入り込む。

「はっや?」

私は拳を打ち込もうとした。

でも嫌な予感がした。

「パンッ」

物陰から撃たれた。幸い私ではなくおばさんに当たった。撃たれたおばさんは灰になって消えた。


「仲間関係なしかい」

私はナイフで襲ってきたもう一人の腕を折って、弾除けにした。

10発くらい撃ち込まれて銃声が聞こえなくなった。


弾除けを捨てて、銃声のした方に走った。

するとクロが飛び出してきた。

ナイフを振り下ろそうとしていた。それをいなして顔を打った。


「つぎぃ!」

私は殺し続けた。腹にナイフが刺さろうと、腕に弾が当たろうと。そうして10人ほど殺っただろうか。攻撃が止んだ。

「ハァハァ、もう·····おらんな」


呼吸をする度に血の味がする。冷たい空気が体に染みる。どんどん息が荒くなった。

私はそれを吹き飛ばうように胸を殴った。

「ふぅ·····やるぞ」


展望台に近づくにつれて、敵は多くなった。

クロは弱かったが、コピー人間の方は強かった。やたらとそいつが多いから、展望台に着くまでかなりかかった。

「昼過ぎに病院出たのに、着くんが夕方って·····。もう日ぃ沈むで」

私は展望台の廃墟へと向かった。


        展望台 廃墟内部


「······リン、ダーリン!」

目が覚めた。

·····最悪の目覚めだ。前にはユルハが居るし、寒くて手足の感覚が鈍くなってる。

「チッ、拘束外せや」

「駄目ぇ、今からダーリンの呪いを解くから!大丈夫。すぐ終わるし、呪いが解けたらダーリンもきっと幸せになるよ!」


そう言って奥に行った。

「くそっ、外れん」

縛られた縄を解こうと腕を動かしていると、ズルッズルッと音がした。何か大きな物を引きずる音。

嫌な予感どころじゃない。体がそれを拒んでいる。血の気が引いて気持ち悪くなる。


「じゃじゃーん!ダーリンを誑かしたクソ魔女です!」

「お·····おい」

呼吸を忘れるくらい、目の前の光景を目が焼き付ける。


「ご·····めん」

真弓は細い声で言った。裸に剥かれても震えもしない身体。皮膚は赤と白になっていた。

「この塵、ちゃんと殺すからね!解放してあげるから!」

そう言って水の滴る髪を後ろに引っ張った。


「や·····いやや·····やめろ。やめてください。大事な·····何よりも大事な家族なんです」

懇願することしか出来なかった。

でも現実はいつだって思い通りにはならない。

「そっか。可哀想に·····。そんなに強い呪いをかけられたんだね。でも大丈夫、これで終わるから」


真弓の喉にナイフが突きつけられる。

「グッ」

真弓がそんな声を出す。

「やめ·····」

真弓の喉に深々と刺さる。

血が滴る。ナイフから、喉から。でも、それでも、真弓は声一つ上げなかった。



「ハハハハハ!魔女が、お前が悪いんだよ!お前がお前がお前がぁダーリンの寵愛を受けるからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「あ·····ああ」

言葉にならない声がでる。

「もう大丈夫だよ。ダーリン!これで終わるから、終わらせるから。ね!」

ユルハが微笑む。また気持ち悪い笑顔で。


その顔がどんどん近づいてくる。

真弓を遮るように顔が近づいてくる。

唇が唇に当たる。

ねじ込むように生暖かいのが入ってきた。

んっ、と甘い声が聞こえる。


ああ、そっか。またか。

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚。

情報の一切を遮断して無になる。


またあのころみたいに


どうも、ヒトです。この作品を読んでいただきありがとうございます。良ければ感想やブックマークをしてくれると嬉しいです。誤字脱字もあったら報告していただけると助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ