「ダンスホール」
「翔?大丈夫ですか?ぼーっとして」
「あぁ、大丈夫」
その返事が精一杯。ただ殺意だけがある。たけど頭は冷静。
あっ、そういえばニセモノが言ってたな。「展望台」って。
展望台に行こう。確か展望台には廃墟みたいなことろがあった。そこにいるだろう。真弓も、こんなことしたやつも。
「ちょっとこれから行くとこあるから。ここでお別れや。2人は教会にいてくれ」
さっさと行こう。
教会の扉を開けた。
「·····わかった。無理はするなよ」
アゼルはただそう言ってくれた。
俺はその言葉につい笑ってしまった。
来た山道を戻った所に分かれ道がある。そっちに行けば展望台につく。
雪を踏み躙りながら向かった。
しばらく走ると、雪が点々と赤くなっていた。
周りをよく見ると足跡も無数にある。
いつ襲われるか分からない。ナタを持とうと、服をめくって取ろうとした。
「ザクッ」
傾いたポケットからスマホが落ちた。
スマホを拾い上げる。
·····俺はグループに展望台とメッセージを送った。
送り終わったと同時に、雪を踏む音が聞こえた。
「誰かいますか?」
そう問いかけたが、返事がない。
その足音が近づいてきた。そろそろ姿が見える。
俺はその足音に向かって走り、姿をとらえた。そして思いっきり首を切り落とした。
切った感触は人じゃない。軽いけど肉みたいな。変な感触だった。
「やっぱ敵やん」
それはクロというやつだった。雑魚だ。すぐ殺せる。
また走り出す。
展望台に近づくにつれ、クロに頻繁に会うようになった。こいつらは動きがそこまで速くない。だからすぐに殺せる。でも無視して行こうとすると銃を撃ってくるから、全部殺さないといけない。それがこいつらの面倒くさいところだ。
そんな事をしていると、もう展望台が見えた。
細い山道から、光が差し込むように開けた場所が見える。
近づくにつれ、音が聞こえてきた。
鼻歌だ。その愉快そうで元気な鼻歌は、静かな展望台に響くように鮮明に聞こえた。
開けた場所にでた。そして、鼻歌の音がするほうに目をやる。
そこには、真弓が通っている高校の制服をした奴がいた。俺はそいつの鼻歌を邪魔するように声をかける。
「おい、こんなところで何してんねん」
すると、そいつはハッと後ろを振り返って、俺を見て満面の笑みを浮かべだ。
「会いたかったよ!翔!いや·····ダーリン!」
そんな事を言われた。こいつは何言ってんだ。
初対面やろ。それになんで上機嫌やねん。
「誰やねんお前」
握ったナタを構える。
「落ち着いてよぉ、私はユルハ!前、会った時は名前教えれなかったから。名前知ってもらえて私すっごく嬉しい!」
またそいつは笑う。俺はその笑顔が気持ち悪くて仕方なかった。
「そうかユルハ。一つ質問や。お前か、真弓の事をやったん」
ユルハは悪びれる様子もなく、否定することもなく、満面の笑みで答えた。
「うん!あの塵は私が掃除したよ!ダーリンに取っての癌になる存在だから!」
なんでそんなに笑顔で答えられるか俺には分からない。それに真弓が俺にとっての癌?
そうか、こいつか。この意味の分からん塵がボスか。
殺意を込めてユルハを見つめた。
「そう、じゃあ殺すわ。お前」
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