「その先」
「ごめん、色々あって勘違いしてた」
「いや、大丈夫だ。気にするな」
アゼルはそう言って、頭を撫でてくれた。
「だ、大丈夫ですか?翔·····」
暁音がアゼルの後ろに隠れながら言った。
「大丈夫·····。ごめん、あんなことしてしまって。どんだけ謝っても済まんけど、ほんまにごめん」
「もう私は大丈夫です······。でも、さっきの真弓といい·····何なんですか、これ?」
俺は、話そうか迷った。話せば、巻き込んでしまうし、いやもう巻き込まれてるけど。でも、やっぱり責任は取らないといけない。
「おふざけじゃなくて、ほんまの話やねんけど·····聞いてくれる?」
俺は今の状況を簡潔に伝えた。
2人は最後まで話を聞いてくれた。
「そうか、大変だったな。協力できる事があればする。一緒に雪を探そうか?」
「そうですね、私達も一緒に探しましょう」
2人は協力してくれようとした。
でも俺はそれを断った。
もう巻き込みたくない、それに真弓達が探してくれている、だから大丈夫だ、とそう言った。
暁音は、もう巻き込まれたんだから協力させてくれと言ってくれた。
断っても断っても、協力すると暁音は言ってきた。
そんなことが続いているとアゼルが、
「暁音、翔の言う通りにしよう。私達が、協力すれば翔に憂虞を感じさせてしまう」
そう言ってくれた。
「でも·····」
「でもではない。私達は教会で待とう」
「·····うん」
暁音はアゼルの説得で、教会に居る約束してくれた。
でも、どうしよもなくなった時、助けが必要な時は頼ってほしい。
いつでも教会で待っている、と暁音とアゼルは言ってくれた。
俺はただ、ありがとう。そう言った。
そんな時、メッセージがきた。
それは裕太から。兄妹のグループでだ。もしかして、雪が見つかったのか?そんな期待を込めて俺は、そのメッセージを読もうとした。
そんな時、真弓からも連絡がきた。
ただ写真だけが送られてきたと通知が知らせた。それ以外は何もない。ただ写真だけが送られてきた。
裕太からのメッセージを開こうとした指が止まる。嫌な予感がした。少し待っても、メッセージはこない。
いつも写真だけなんて送らんやん?なんで、こんな時に限って·····。
だってほら、写真だけじゃ分からんやん?言葉のほうが伝わりやすいし。言ってたやん、自分でさ。言葉で言ってくれんと分からんって。
いや、もしかしたら雪を見つけたって写真かもしれない。そうだ!きっと·····そうだ!
そんな期待を込めた。気分が少しは楽になった。
でも、こういう時は絶対にそう上手くはいかない。だって今まで、上手くいったことなんてなかったんだから。
連絡先から真弓をタップして、メッセージを開いた。
写真。
部屋の中。唯一の明かりは、開いたドアから差し込む昼過ぎの日光。
それが照らしている、人。
椅子に縛られている。足を見た。縛られた足は、少し変な形をしていた。それに、赤いところがあったり、黒いところがあったり。
腕を見た。肘掛けに腕が縛られている。袖が赤くなっていた。手を見てみる。
両の手は、爪の剥がれ、指が痛痛しく血を滴らせる。小刻みに震えている様にすら見えた。
顔が見えてしまった。顔だけは、暗くなっていて、かなり見えにくかった。
右側は涙や鼻水でぐちゃぐちゃの顔。小さい子供が喧嘩して泣いた時みたいだ。
左側は目が包帯で覆われている。赤黒い色の包帯が。
良く見えた。かなり暗い筈なのに。
その先は見えるようになっていた。
だって、その人は真弓だったから。
どうも、ヒトです。この作品を読んでいただきありがとうございます。良ければ感想やブックマークをしてくれると嬉しいです。誤字脱字もあったら報告していただけると助かります。




