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、ゲームへ  作者: ヒト
第ニ章 骨の髄まで
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神父 アゼル

俺はナタを抜き、後ろにいた暁音、いやコピー人間を人質にした。コピー人間にだって心くらいあるだろ。

「おい、こいつが殺されたくなかったら、その斧で首切って死ね」

俺はそう言って相手がどう出てくるか見た。人質関係なく殺しに来るか、交渉か、それとも死んでくれるか·····。


答えは人質関係なく殺しに来た。躊躇なくコピーアゼルは斧をぶん投げてきた。やばいと思って避けようと思ったが、それは俺の隣を通り過ぎていった。相手が丸腰になった。チャンスだ。俺はコピー暁音を殺して、コピーアゼルを殺しにいこうとした。


「く·····そが」

後ろから声がして、コピー暁音の喉を斬り裂こうとした手が止まった。その声は真弓のものだったから。でも何か違う。恨みのこもった口調。この感じはコピー真弓?俺は後ろを見た。隙ができた間に暁音には逃げられたがいい。


コピー真弓がそこにはいた。でも斧がめり込みもうじき死ぬ所だった。

「展望台。そこで面白いもんみれるぞ」

そう言いながら、嗤って灰になった。


「翔もこいつらの仲間かと思ったが、その焦り様と、その変な真弓がお前を殺そうとしていたから違うと思った」

アゼルがそう言った。

「何があった?」

アゼルが問う。


とにかく分かることを頼りに考える。アゼルは俺を助けてくれた。でも人を殺していた。罠の可能性もある。味方と油断させて殺す算段かもしれない。俺が来る前から戦っていたから、襲ってきたところを撃退したということもある。

俺がそんな事を考えていると、アゼルが近づいてきた。咄嗟に俺はナタを構えた。


「翔、落ち着け。私は敵じゃない、味方だ」

信じるか?いや·····まだ分からない。警戒しよう。

「嘘つけ、お前人殺してたやんけ」

探りを入れるため、こう質問した。さあ、どう弁明する。

「誤解だ。いや、誤解でもないが彼らが襲ってきたんだ。だから殺した」


襲ってきたか·····。それでも普通殺すか?殺さないだろ!

「それに彼らは多分人じゃない。死んだら灰になって消えた」


死体がある筈の場所に目を向けた。確かにそうだった。アゼルが殺したはずの死体がない。あるのは、そこら中にある人型の灰だけ。ざっと10はある。罠ならこれだけ殺す必要もないだろう·····。


クソッ!どっちだ。罠か?それともただ巻き込まれただけか?

そんな事を考えている間にアゼルとの距離は近くなる。クソ!考えろ考えろ·····。

アゼルがもう前まで来た。


取りあえず、距離をとろうと後ろに下がろうとした。

その時、アゼルは俺の前に屈んで、頭を撫でてくれた。

「よく頑張ったな。大丈夫、安心しろ。ここにはお前の敵はいない」

そういって微笑んだ。


アゼルは人を安心させる時、頭を撫でる癖がある。それはコピー人間だろうが出来るはずがない、人だからこその優しさがあった。

「ア、アゼル?」

「そうだ、私はアゼル・アルトリウス。この町の神父で君の親友だ」

「そっ·····か。じゃあアゼルは人なんか?」

「そうだ、私は人だ。化け物なんかじゃない」


アゼルはコピー人間じゃない。あんな真っ直ぐ目をみて、優しく語りかけるのはアゼルしか出来ない。コピー人間なんかが出来ることじゃない。


そう、アゼルだ。いつものアゼルだ。どんな状況でも冷静に判断して、受け入れてくれる。神様みたいな、英雄みたいな人。

どうも、ヒトです。この作品を読んでいただきありがとうございます。良ければ感想やブックマークをしてくれると嬉しいです。誤字脱字もあったら報告していただけると助かります。

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