表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

意味がわかると怖い草魔法

 異世界転生したけど、私は元気です!

 色々あったけど、得意の草魔法でみんなを幸せにするの。だから、ちょっと嫌なことをした人でもちゃんとごめんなさいした人は許すことにしたの。


 これに耐えられたらね?




 花粉症という名の呪いが元実家を席巻してすぐのころに、元婚約者から手紙が来た。初回罵倒された記憶しかないが、ほかがそれ以上悪かったので放置してた。

 あ、いたな。婚約者。そのくらいなのに。


 雉も鳴かずば撃たれまい。

 という慣用句? 教えてあげたい。


 中身は悪かった、呪いを解いてくれと記されたぺらい紙。

 呪ってないが、実家に出入りするうちに発症したらしい。思ったよりこの世界の住人は耐性がない、と思うべきか、すっごい強い植物を作ってしまったのか……。

 それにしても全くどこも悪かったとも思っていないような手紙である。燃やそうかと思ったら、魔女が、呪いの媒体として、手紙ってそれなりに使えるのよねと呟いて持っていった。


 魔女は確かに魔女であるので、呪いくらいするよなぁと妙に納得した。涼しい顔で、禿げる呪いかけとくわとか恐ろしい。それも一気に禿げるのではなく徐々にじわじわと薄毛の恐怖をと言えば、父が怯えたように頭を押さえていた。

 薄毛は男性にとっては恐怖らしい。怯える父を見てにやぁと魔女が笑っていた。……父、なんかしたな。いつもは冷笑といった感じなのに。


 まあ、魔女が呪いをかけてくれるならほっといてもいいかなと思ったんだ。ところが、この詫びとも思えない手紙が続いた。くしゃみが続く、目がかゆい、鼻が止まらない。本当に悪かったし、婚約も戻してやるから早くやめろと。

 妹のところに行かれなければよいのでは? と現実的な返信をしたら、おまえ、俺のことが好きなんだろと返信が来た。

 ……。

 ねぇ、魔女ー、欲しい植物の種? 種かな? があるんだけど。挿し木でも増えるって言うの。すっごい、有用な植物だからお取り寄せしていいかな? え? 植物が趣味の魔女がいるから紹介してくれるって? やった! 旅行だっ! 父はお留守番……なにその涙目。お土産は買ってくるし……、あ、はい、あとで領内旅行ね? それ視察って言わないかな。

 魔女と楽しい旅行で希望のものを私は手に入れた。


 それから私は手紙と植物を送った。


 友好の証として、お花を送った。必ず、庭に直で植えてください。


 美しい花が咲く植物。

 利用価値の高い植物。

 薬効がある植物。

 どれも特別で他にはないものです。


 あまりお手入れをしないでも、育つ強い植物です。

 きっと、あなたたちの役に立つことでしょう。


あじさいとか、葛とか、竹とかが植えてあるとても、日本的庭ができていることでしょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ