甘えん坊な彼女と今日もベッドでイチャつく話
一年ぶりの投稿なので初投稿です。
「俺は先に寝るけど花奏はどうする?」
「う〜ん、すぐ行く〜」
「んじゃあ先寝室行ってるね」
俺、南雲響紀には雲雀花奏という同棲している彼女がいる。
いつもふわふわしていて、肉付きも健康的で、同じシャンプー使ってるとは思えないくらい良い匂いがしている。
とにかく最愛の彼女だ。
「ねぇ」
「ん?」
寝室に行こうとする俺のパジャマの袖を花奏が引っ張り、俺は足を止めて花奏の方を見る。
「どうしたんだ?」
「……ん」
「言ってくれなきゃわからないよ?」
「……今日はアレ、しないの?」
花奏が言っている”アレ”はきっとおやすみのキスのことだろう。
だけど俺の中のいたずら心がそのままキスするのは勿体無いとささやいている。
俺はソファーで横になっていた花奏をお姫様抱っこして言う。
「ごめんね。でもアレじゃわからないから、もうちょっとわかりやすく教えてくれない?」
「むぅ…………響紀のいじわる」
「でもわからないからなぁ……お布団まで連れて行ったら教えてくれるかな?」
「えっちなのはだめだからね?」
「もちろんわかってるよ」
口ではもちろんなんて言ってしまったが正直ちょっとだけ期待はしていた自分がいるのもまた事実。
内心しょんぼり気味だが、腕の中にいる花奏の感触を楽しみながら寝室へと向かう。
「よいしょっと、寝室へとうちゃ〜く」
少々名残惜しいけど、花奏をゆっくりベッドに下ろす。
すると花奏は「きゃっ」と小さな声を上げてベッドに倒れ込む。
俺は自然とマウントポジションを取ることになったのをいいことに花奏にさっきの続きをおねだりする。
「そういえば、花奏がさっき言ってたアレ、教えてくれないの?」
「本当はわかってるくせにもう…………おやすみのちゅー、しないの?」
やっぱり濁さず言うのは恥ずかしいのか顔を赤らめながらキスを求めてくる花奏に俺の顔も赤くなっていくのを感じる。
「……響紀の顔、赤くなってるね」
「……花奏の顔だって」
一瞬の沈黙が流れた。
だけど不思議と気まずさはなくて、どことなく満たされるような幸せを感じる。
「私たち付き合いたてのカップルみたい」
「いつも惚れ直してるからあながち間違いじゃないよ」
「なんかちょっと照れちゃう」
慣れない空気感が急に気恥ずかしくなってお互い同時に「ふへへへへ」と気の抜けた笑いが溢れる。
「なあ」
「なに?」
「キスしてもいい?」
「——うん、いいよ」
お互いの愛を確かめ合うようにゆっくりと唇を合わせ、指を絡め合う。
この瞬間を焼き付けるように、繋がりがより深くまで根付くように、ずっとずっと愛し合っていけるように。
長いようで短いキスは唇が離れるその一瞬さえも愛おしくて。
「ちゅー……いつもより長かったね」
「その、キスした瞬間花奏が好きって思いが抑えられなくて……」
「なんか響紀ってかわいいね」
「え、どういうところが?」
「えへへ〜秘密!」
そう言って花奏は布団をかぶって目を閉じてしまった。
そして俺はいつか花奏からかっこいいと言われたいと心に決め、花奏と同じ布団に入っていく。
「ずっと愛してるから」
意識が眠りに落ちる前に、改めてもう一度言葉で愛を伝える。
一緒にいればいるほど、お互いの譲れないものがわかって、共有できるものが増えて、毎日が明るく色づいて見える。
「うん——私も、愛してる」
一瞬、お互いの目が合って、無意識のうちにもう一度指を絡ませて、俺と花奏は眠りについた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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