表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神・ザ・クッキークリッカー! ―女神を殴るごとにレベル上がるんですがそれは―  作者: 八゜幡寺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/77

8:始まりの足音

 あーそうだ。このまま死のう。

 干からびて死んでしまおう。


 ……無論、ただの現実逃避だ。

 だけども実際問題、どうしろというんだ。

 こんなところでのんきに寝ていようものなら干からびるよりも先にモンスターの餌食になる。


 よし。まずは隠れ場所を探そう。

 だがそんな意志とは裏腹に、体が思うように動いてくれない。


 なんだか体が重くて、空気が粘性を帯びてまとわり付いているような鬱陶しさを感じて、ちょっとした動作でもすぐに疲労してしまう。

 洞窟内特有のジメジメとした高湿気のせいもあるだろう。

 でも、それだけじゃない。


 あれ、俺、スーツ着てる――?


 女神の計らいだ。

 天国では全裸だったから服をくれるのはありがたいよ。


 でもな、戦闘主軸のこの異世界でこんなギチギチなビジネススーツはねえだろ!? ネクタイも首元までご丁寧にありがとよ! 

 おかげさまで重いし窮屈だし湿気で肌にくっついて可動域狭まるし!


 死ね!!!


 絶望に埋め尽くされる。

 女神に対する殺意のみが、無尽蔵に膨れ上がる。




 ピコーン。


 刹那――俺は激しく狼狽した。

 突然に、頭の中で軽快な音色が鳴り響いたのだ。

 心臓が今にも破裂しそうなほど、強く打ち付けている。


 ビ……ビビった。

 今モンスターに襲われたら、いや見つかった時点で最後。確実に殺される。というかショック死する。

 魔王よりも強いモンスターなんて形容し難い禍々しい容貌に違いないからな。見ただけで死ねる。


 そんな緊張感の中、薄暗く、無音の空間だった場所に、いきなりアホみたいな音色が流れればそりゃ誰だって跳ね上がる。

 恐らくこれも女神が与えし何かしらのユニークスキル。さて、何を知らせるためのアラームだ?


 例えば、接敵を知らせるだけの能力。モンスターが近付いているから注意せよってことだろうか?

 いや、それはないな。そんな【役に立つ】スキルを、あのクソ女神が与えるはずがない。


 ……試しに一応、動く影はないか探ってみる。本当に索敵スキルな可能性も微粒子レベルで存在するからな。

 しかしやっぱり、辺りに変化は見られない。

 少なくとも見える範囲には何もいない。


 なら――。


 ピコーン。


 辺りを見渡す。

 すると、ある一方向に視線を向けたことにより、再び軽快な音が脳内で響き渡った。


 なるほど、どんなスキルなのか理解できた。

 試しに視線を外して、再び先ほどの場所を見据える。結果は、やはりピコーンだ。

 よく目を凝らせば――否、意識を集中させることによって、その音の正体が明確になる。


 つまり、これは一種の【鑑定スキル】だ。


―――


名称:ささくれシメジ

【出血毒】


―――


 スキルによって識別されたものを見てみると、茶色っぽいトゲトゲしい傘のキノコが群生していた。

 毒キノコらしい。


 おお……これ、マジか? 【鑑定スキル】といえば、異世界において最も重宝するスキルじゃないか。必須と言っても過言じゃない。

 こんな有益過ぎるスキルを、あの女神が? ……あり得ない。


 俺自身を見てみる。反応なし。

 何かしらの条件があるのは明白だが、それがわからないな。

 何か不確定要素を孕んだランダム識別か?

 答えは出ない。


 ……やめだ。一旦保留。

 ノーヒントで考えたって分かるわけがない。


 一つだけ言えるのは、あの性悪女神が【絶対に役に立たないゴミスキル】と称するものであることは間違いないということだ。

 あまり期待するもんじゃない。

 

 それに、もう遊んでもいられないようだ。




 足音が、聞こえたんだ。

お読みいただき感謝でございます。

少しでも面白いと思ったなら「ブクマ」「いいね」「☆での評価」お願いします!

ランキングに載ってこの作品をもっと広めていきたいです。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ