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女神・ザ・クッキークリッカー! ―女神を殴るごとにレベル上がるんですがそれは―  作者: 八゜幡寺


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41:クソ女神降臨

「うっあぐ……!!」


 熱い……。

 体内に侵入を許したその異物は、焼けるような熱を帯びてこの身を焦がした。

 ドクンと強く脈動する度に、痛みに声が漏れてしまう。

 やめてくれ、助けてくれ……! 意に反して力が抜けていく。抗うことなど、許されない。


「も、もう……やめて、くれ……がっ!」

「ははは。ダメだよ、もっと味わわせてくれ。こうしてゆっくりと、舌を転がしてあげるとね……」

「ぐ!」

「あははっ。ほら、こんなにも強く締め付けてくる。堪らない。最高の舌触りだよ」


 も、弄びやがって。

 脈動する度、吸い取られていく。思考が、おぼつかなくなる。ナニカが……喰われて、ゆく。


 俺という存在を構成する、最も重要なナニカ。

 肉体を抉られるよりも、精神を侵されるよりも……!

 もっと大事な、【俺という概念】が!


 喰われていく。

 無くなっていく――。

 

「あれ? 黙っていてはつまらないよ? ……ほらっ!」


 ズン。

 一際激しく突き上げられて、痛みに意識が覚醒する。

 気絶すらも……! 許しちゃくれないのか!


「ぐああっ!」

「ははは! そうそう、もっといい声で……啼け!」

「ああああああ!」


 よほど気に入ったらしい。

 ミゼーアは気分よく、俺を何度も突き上げる。

 豚のような悲鳴が、無様な姿が、食事のいいアクセントなんだとよ……!


 ――だがもう、終わりが近付いてきている。

【俺という概念】が、無くなっていく。


 ああ、死にたく、ない。

 せっかく、俺の力が通用すると分かったのに……生き残る希望が見えたというのに……呆気ない。


 お前のせいだぞ、女神。

 お前がもっとまともな女神だったなら、俺は今頃勇者としてちやほやされてたんだ。世界を救ってたんだ。

 姫とか女騎士とか猫耳娘とか、侍らせてさ。

 カッコいい戦友と酒を飲み交わしたりしてさ。

 地球に帰るか、異世界に残るかで、真剣に悩んだりさ……。


 まだまだ、この世界でやりたいことが沢山あるんだ。

 こんな……こんなところで、終わってたまるかよ。まだ始まってすらいないんだぞ!


 ――こちとら半分、観光で来てるんじゃい!


 だからさっさと――。


「は、やく……。たすけ……ろ……クソ、女神……」

「あ、やっぱりピンチだったんですね。はい! ではいまお助けしますよ、アギト様!」


 そいつは、はじめからそこにいたかのように、忽然と現れた。

 俺を片手で釣り上げるミゼーアの、その背後。

 幸せそうな微笑みを浮かべて、絹のように艷やかな金髪をそっとかき上げる――女神。


「おっと、この僕が背後を取られるだなんて……油断しすぎたかな」

「うふふ。強がりもそこまでトンチンカンだと、哀れですね。いつからあなたの後ろにいたと思ってるのかしら?」

「……なに?」

「とりあえず、アギト様を離しなさい」


 瞬間の浮遊感。

 刹那の焦燥は、女神の抱擁によって安堵へと早変わりした。

 少し冷たくて柔らかくて、心が温まる。

 段々痛みも引いてきて……。


「これが、アギト様の穴……はぁ、はぁ! えいっ」

「あぐ! 痛って……! な、何しやがる!」


 ぐあああ! ミゼーアの舌でぶっ刺された箇所に、指突っ込まれた……!

 く、クソ女神!


「はっ、ごめんなさい。ちょっと理性が」

「元からねえだろ、お前に! 理性そんなもん!」


 本当に……我ながら、ダサい奴だ。

 助けてもらった途端、元気になりやがって。いつもならぶん殴ってるところだが……。

お読みいただき感謝でございます。

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ランキングに載ってこの作品をもっと広めていきたいです。よろしくお願いします!

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