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女神・ザ・クッキークリッカー! ―女神を殴るごとにレベル上がるんですがそれは―  作者: 八゜幡寺


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心が諦めてしまっているんだ

 やだ、怖い! 食われ死ぬってなに!?

 前世にどんな悪行積んだらこんな死に様晒すことになるんだよ!


 ……悪行!

 そうだ、こんなことになったのは誰のせいって、日頃の行いでも前世のあれこれなんかでも断じてない。

 悪行!

 女神の!

 奴の傲慢な私利私欲によって俺はこんな目も当てられないような死に直面しているんだ!

 クッソ腹立つ! 自分の落ち度で、はたまた寿命で! 死ぬならわかる! 病気だって納得がいくさ!

 でもこれじゃあ、死んでも死にきれない!

 畜生死にたくねえ!


 ――歯が食い込む。


 あ。


 まるでスポンジケーキのように、くにゃりと肉がひしゃげる。骨が、削げ――。


「うわああああああああああああああああああ!」


 背筋が凍る。血の気が引く。

 痛みよりも、恐怖に顔が歪んだ。


 そして俺は――光になった。


 ――いや比喩でもなんでもなく、突如として凄まじい光の真っ只中にいるのだ。


 火炙りにされたんじゃないかってくらいの熱量は吸い込む空気で喉を焦がす。

 光は増す。どんどん温度も上昇していく。

 不思議なのは、あたり一面が白く見えるほどの光量なのに、しっかりと目を見開いて状況を確認出来ることだ。


 ――スキル。


 俺の身体が発光する、ただそれだけのクソスキル。

 俺の危機的状況に呼応して、まさかここまで輝けるものなのか。

 熱を発するほど……。


 というか!

 あっつい!


「あぁっづっ! あづづいっ!」


 死ぬ! 焼け死ぬ!

 これまでの人生において経験したことがあるはずもない発光と発熱。しかし対処法はばっちり熟知じている。……地面を転がればいいんだろ?

 全力でもって横回転。

 デコボコ地面に顔を打ち付け頭を打ち付け、それでも熱を鎮める作業に明け暮れた。


 それが【消火活動】以外のなにものでもないことに気付いたのは五秒後。そして光量が落ち着いてくると共に結果的に温度も下がったので冷静さを取り戻すことが出来た。

 落ち着いた頭で考えてみれば、一つの疑問が浮かんだ。


 なんで俺、自由に転がりまわれてんだ?

 スケルトンに微動だに出来ないほど押さえつけられていたというのに、我に返ってみれば我が身は自由自在である。


 ふと、視界の端で蠢く奇妙な存在に気付いた。

 それは俺の足元でウネウネビタンビタンともんどり打ってる……尻尾だ。

 それはトカゲの尻尾だった。


 その傍らで、バラバラに重なり合う白骨。


「うらあああ! だらあああ! わああああああ!」


 蹴り崩す! 二つの人骨を即座にばらばらと四散させる!

 よかったああああああ! こいつらビビリでよかったああああああ! おかげで、あの強烈閃光に驚いて尻尾切り捨てて逃げやがった!


 あらかた部品を散らし終わると、間髪入れずに全力疾走!

 あとはこのアリの巣のように入り組んだ洞窟内、グネグネと走って逃げおおせてみせる!


 迫り来る曲がり角。ノーブレーキで最短距離をぶち抜く。アウトインアウトの法則に従い無駄のないコーナリングでもってこれを成し遂げる。


 ――眼前に広がるは、ちょうど曲がり角で待ち構えていた三体目の骸骨フェイスだった。


 あ、これ死んだわ。


 もう気力が残っていない。そして無理な運動能力を発揮したツケは、足がもつれるという結末でもって俺を転倒させた。


 顔面を強打する。もはや、痛みすらあまり感じなかった。

 さっきのような死にものぐるいの偶然は期待できない。なぜなら、もう心が諦めてしまっているんだ。


 ――俺は、死ぬんだ。

お読みいただき感謝でございます。

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